CPD液で採血した血液の全血処理型白血球除去WBFフィルタークローズドシステムの性能評価

輸血による同種免疫感作(HLA抗体産生や血小板輸血不応), 非溶血性発熱反応(NHFTR)やウィルスの伝播1)~5)といった副作用の防止や, 保存中の血液細胞障害6)やマクロアグリゲート生成等の軽減7)8)による血液製剤の品質向上を目的とし, 保存前白血球除去システムの国内導入が検討されてきた9). 国内では主にACD-A液で採血される為, これまでにACD-A液で採血する保存前白血球除去システム(以下, PLD-Aシステム)が開発された10)~12)が, PLD-Aシステムで採取される血漿量は, 従来のバフィーコート法に比べ少ないとの報告があった10). そこでACD-A液に比べ血漿採取量が...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 50; no. 1; pp. 56 - 67
Main Authors 安永礼子, 湯浅武史, 堀内賢一, 鈴木康之, 野原正信, 高嶋聡子, 田中真典, 田中明美, 比嘉幸枝, 丸高ゆう子, 中田浩一, 坂本久浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 31.03.2004
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ISSN0546-1448

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Summary:輸血による同種免疫感作(HLA抗体産生や血小板輸血不応), 非溶血性発熱反応(NHFTR)やウィルスの伝播1)~5)といった副作用の防止や, 保存中の血液細胞障害6)やマクロアグリゲート生成等の軽減7)8)による血液製剤の品質向上を目的とし, 保存前白血球除去システムの国内導入が検討されてきた9). 国内では主にACD-A液で採血される為, これまでにACD-A液で採血する保存前白血球除去システム(以下, PLD-Aシステム)が開発された10)~12)が, PLD-Aシステムで採取される血漿量は, 従来のバフィーコート法に比べ少ないとの報告があった10). そこでACD-A液に比べ血漿採取量が多く, また赤血球の保存性も優れているCPD液13)14)で採血する保存前白血球除去システム(以下, PLD-Cシステム)を開発し, 下記の内容で比較検証した. (評価1). PLD-Aシステムとの比較によって, 抗凝固剤の違いによる(1)システムの性能, (2)製剤の保存性への影響を確認(評価2). CPD液で採血する通常の製剤方法(バフィーコート法)との比較によって, (1)採取血液製剤容量, (2)保存前白血球除去による製剤保存性への影響を確認 II. 材料と方法 (1)バッグシステム(Fig. 1)(1)PLD-Cシステム 採血, 白血球除去, 製剤調製の一連の作業を無菌的に行うことが可能で, 全血用白血球除去フィルター(WBF1J, 日本ポール社)を組み込み, 抗凝固剤としてCPD液を, 保存液としてMAP液を用いたバッグシステム.
ISSN:0546-1448