横行結腸が嵌頓した下腹部白線ヘルニアの1例

症例は60歳,女性.腹痛と腹部腫瘤を自覚し来院.臍下部に小児頭大の膨隆を認め, CTにてこれに一致した横行結腸の脱出を認めた.用手的整復不能のため,緊急手術を施行した.術中所見では臍下部正中に巨大なヘルニア嚢を認め,内容は横行結腸と大網であった.内容を還納後,ヘルニア嚢を切除し,ヘルニア門を縫合閉鎖した. 白線ヘルニアは稀な疾患で本邦では約50例程度の報告を数えるのみである.そのうちの大多数は上腹部に発生し,下腹部白線ヘルニアは自験例を含め8例の報告を認めるのみである. 白線ヘルニアの中でも非常に稀な成人下腹部白線ヘルニアの1例を経験したので本邦報告例の検討を加えて報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 5; pp. 1408 - 1411
Main Authors 高橋, 英督, 栗栖, 茜, 石畝, 亨, 松木, 盛行, 嘉和知, 靖之, 丸山, 洋
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.05.2004
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.1408

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Summary:症例は60歳,女性.腹痛と腹部腫瘤を自覚し来院.臍下部に小児頭大の膨隆を認め, CTにてこれに一致した横行結腸の脱出を認めた.用手的整復不能のため,緊急手術を施行した.術中所見では臍下部正中に巨大なヘルニア嚢を認め,内容は横行結腸と大網であった.内容を還納後,ヘルニア嚢を切除し,ヘルニア門を縫合閉鎖した. 白線ヘルニアは稀な疾患で本邦では約50例程度の報告を数えるのみである.そのうちの大多数は上腹部に発生し,下腹部白線ヘルニアは自験例を含め8例の報告を認めるのみである. 白線ヘルニアの中でも非常に稀な成人下腹部白線ヘルニアの1例を経験したので本邦報告例の検討を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.1408