治療の方法
1982年世界保健機関(WHO)は, ハンセン病の最も有効な治療として多剤併用治療(MDT)を推奨し, その後RFP, OFLX, MINOの3剤併用治療(ROM)も, WHOの治療指針に加えられた1). MDTやROMには幾つかの問題点もあるが(特に投与期間), 医療環境の不十分な多くの途上国でも適応可能であり, 毎年世界で新たに診断される約60-70万人の新患者のほとんどが, これらの治療を受けている. しかし日本で用いるには考慮すべき問題があり, またMDTに含まれるCLF(別表)による色素沈着は, 可逆性ではあるものの患者の協力が得られにくい. 日本では薬物の入手が容易であるため, 有...
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          | Published in | 日本ハンセン病学会雑誌 Vol. 72; no. 2; pp. 201 - 202 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本ハンセン病学会
    
        01.06.2003
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| ISSN | 1342-3681 | 
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| Summary: | 1982年世界保健機関(WHO)は, ハンセン病の最も有効な治療として多剤併用治療(MDT)を推奨し, その後RFP, OFLX, MINOの3剤併用治療(ROM)も, WHOの治療指針に加えられた1). MDTやROMには幾つかの問題点もあるが(特に投与期間), 医療環境の不十分な多くの途上国でも適応可能であり, 毎年世界で新たに診断される約60-70万人の新患者のほとんどが, これらの治療を受けている. しかし日本で用いるには考慮すべき問題があり, またMDTに含まれるCLF(別表)による色素沈着は, 可逆性ではあるものの患者の協力が得られにくい. 日本では薬物の入手が容易であるため, 有効性が確認されている6種類の薬物(DDS, RFP, CLF, MINO, CAM, NQ:別表)から選択できる. NQの中ではOFLXのみが保険適用となっているが, LVFX, SPFXは同等以上の有効性を持ち, また近年, GFLX(ガチフロキサシン)が注目されている. 化学療法の目的は, 薬剤耐性やらい反応を極力抑えつつ, 速やかに感染源を減らして早期に治療を終えることであるが, このためには多剤併用による規則的な治療が原則となる. | 
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| ISSN: | 1342-3681 |