骨髄細胞移植による心臓再生-左室補助人工心臓離脱を目指して

「はじめに」末期心不全に関する治療としての心臓移植もしくは補助人工心臓(VAS)の施行数は少なく, その恩恵は限定的である. 心臓移植は, 1997年の臓器移植法施行により再開されてはいるものの, 年間施行数は5例前後で推移している. 世界的に見てもドナー不足は深刻であり, 1994年をピークに漸減傾向が続いている. VAS治療は, その役割をBridge to TransplantationのみからDestination TherapyおよびBridge to Recoveryへと広げている. 多くの新しいDeviceが長期間の循環サポートを保障し, Destination Therapyを...

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Published in循環制御 Vol. 27; no. 3; pp. 203 - 208
Main Author 五條理志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本循環制御医学会 30.09.2006
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ISSN0389-1844

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Summary:「はじめに」末期心不全に関する治療としての心臓移植もしくは補助人工心臓(VAS)の施行数は少なく, その恩恵は限定的である. 心臓移植は, 1997年の臓器移植法施行により再開されてはいるものの, 年間施行数は5例前後で推移している. 世界的に見てもドナー不足は深刻であり, 1994年をピークに漸減傾向が続いている. VAS治療は, その役割をBridge to TransplantationのみからDestination TherapyおよびBridge to Recoveryへと広げている. 多くの新しいDeviceが長期間の循環サポートを保障し, Destination Therapyを可能とした. また, LV unloadingのみによるBridge to Recoveryだけでなく, VASからの離脱率を向上させるために, Cardiac Resynchronization Therapyやβ2 agonist投与が行われ有望な結果が報告されている. 更に近年, 再生医療の可能性が大きく語られ, 心不全の治療に関しても, 多くのClinical Tdalが報告され始めている. 特に, 骨髄由来細胞を用いた細胞移植では, 全ての研究で, その安全性は極めて高いことが報告されている. また, 有用性に関しても心機能改善効果が多くの研究で確認されている.
ISSN:0389-1844