マウスストローマ培養細胞(ST2)におけるコラーゲン/BMP-2固定化効果の検討

【目的】従来より骨欠損部の修復, 再建方法の開発のため, BMP4の担体の開発として様々な研究がなされてきた. しかし, 効率よく異所性骨誘導をさせるための担体はまだ開発されていないのが現状である. そこで今回我々はサクシニル化コラーゲンを担体としてBMP-2を固定化しマトリクリン効果を検討した. 【方法】担体は中性溶液可溶化サクシニル化コラーゲンを用いた. 固定化処理としてサクシニル化コラーゲンをWSC(water-soludlecarbodiimide)終濃度1mg/mlで2時間4℃で前処理し, BMP-2を添加24時間4℃で反応を行った. コントロールとしてBMP-2+コラーゲン, BM...

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Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 42; no. 5; p. 450
Main Authors 辻極秀次, 長塚仁, 石割裕三, 中野敬介, 永井教之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 30.08.2000
Japanese Association for Oral Biology
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ISSN0385-0137

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Summary:【目的】従来より骨欠損部の修復, 再建方法の開発のため, BMP4の担体の開発として様々な研究がなされてきた. しかし, 効率よく異所性骨誘導をさせるための担体はまだ開発されていないのが現状である. そこで今回我々はサクシニル化コラーゲンを担体としてBMP-2を固定化しマトリクリン効果を検討した. 【方法】担体は中性溶液可溶化サクシニル化コラーゲンを用いた. 固定化処理としてサクシニル化コラーゲンをWSC(water-soludlecarbodiimide)終濃度1mg/mlで2時間4℃で前処理し, BMP-2を添加24時間4℃で反応を行った. コントロールとしてBMP-2+コラーゲン, BMP-2固定化BSA+BMP-2を用いた. コンフルエントに達したST2培養液中に添加しアルカリフォスファターゼ(ALP)の活性を測定した. また添加後, 経時的にBMP-2レセプター遺伝子の発現を観察した. 【結果】固定化群では非固定化群と比較してALPの活性は添加後初期(1日~2日)では低値を示したが, 全体としてALPの活性は高値を示した. またBMP-2レセプター遺伝子の発現にも有為な差異が認められた. 【総括】中性溶液可溶化サクシニル化コラーゲンにBMP-2を固定化するとマトリクリン効果によりBMP-2の活性が上昇したことが考えられた.
ISSN:0385-0137