再石灰化に及ぼすキシリトール, フノリ抽出物, 第2リン酸カルシウムの影響

• Published in: 歯科基礎医学会雑誌 Vol. 42; no. 5; p. 458
• Main Authors: 高橋満, 佐伯洋二, 見明康雄, 柳澤孝彰
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 歯科基礎医学会 30.08.2000; Japanese Association for Oral Biology
• ISSN: 0385-0137

【目的】本研究は, 初期齲蝕エナメル病巣の再石灰化に対する糖アルコール, フノリ抽出物, カルシウム剤の有効な組み合わせを調べることを目的とした. 【方法】ヒト抜去歯のエナメル質片を, 0.01M酢酸緩衝液(pH4.0)を用い50℃で脱灰し, 実験的初期齲蝕エナメル病巣を作製した. また, フノリ抽出物, 5種類の糖アルコール(キシリトール, ソルビトール, エリスリトール, マルチトール, パラチニット)および5種類のカルシウム剤(第2リン酸カルシウム, 第1リン酸カルシウム, 第3リン酸カルシウム, 乳酸カルシウム, グルコン酸カルシウム)を供試した. 再石灰化促進効果は, フノリ抽出物, 糖アルコール, カルシウム剤を添加した再石灰化溶液に, 実験的初期齲蝕エナメル質片を37℃で2週間浸漬し, それぞれの試料からコンタクトマイクロラジオグラフィーを作製後, MIP画像解析により評価した. 【結果及び考察】初期齲蝕エナメル病巣の再石灰化に対し, 供試した糖アルコールとカルシウム剤の中で, キシリトールと第2リン酸カルシウムの組み合わせが効果的であった. これにフノリ抽出物を組み合わせることにより更に強い再石灰化促進効果が認められ右これらの結果により, キシリトール, フノリ抽出物, 第2リン酸カルシウムの組み合わせが再石灰化促進効果に最も有効であることが示唆された.