IL-1はMAP kinases-AP-1カスケードとIκBα-NFκBカスケードを介してヒト歯肉線維芽細胞の各種炎症性因子産生を促進する
【目的】ヒト歯肉線維芽細胞(HGF)のIL-1依存的な各種炎症性因子産生におけるMAP kinases-AP-1カスケードとIκBα-NFκBカスケードの関与について検討した. 【材料と方法】HGFをIL-1βで刺激後, MAP kinases(ERK, p38, JNK)とIκBαのリン酸化, c-fos/c-junのmRNA発現, AP-1とNFκBのDNA結合活性, 各種炎症性因子(IL-1α, IL-6, IL-8, PGE2)の産生を検討した. また, 各種シグナル伝達阻害薬の前処理がIL-1依存的なこれらの炎症性因子産生に及ぼす作用を検討した. 【結果】1, IL-1はERK, p...
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Published in | 歯科基礎医学会雑誌 Vol. 44; no. 5; p. 407 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
歯科基礎医学会
20.09.2002
Japanese Association for Oral Biology |
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ISSN | 0385-0137 |
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Summary: | 【目的】ヒト歯肉線維芽細胞(HGF)のIL-1依存的な各種炎症性因子産生におけるMAP kinases-AP-1カスケードとIκBα-NFκBカスケードの関与について検討した. 【材料と方法】HGFをIL-1βで刺激後, MAP kinases(ERK, p38, JNK)とIκBαのリン酸化, c-fos/c-junのmRNA発現, AP-1とNFκBのDNA結合活性, 各種炎症性因子(IL-1α, IL-6, IL-8, PGE2)の産生を検討した. また, 各種シグナル伝達阻害薬の前処理がIL-1依存的なこれらの炎症性因子産生に及ぼす作用を検討した. 【結果】1, IL-1はERK, p38, JNK, IκBαのリン酸化, c-fos/c-junのmRNA発現, AP-1, NFκBのDNA結合およびIL-1α, IL-6, IL-8, PGE2の産生を促進した. 2, ERK阻害薬(PD098059, U0126), p38阻害薬(SB203580), curcumin, c-fos/c-junのantisense, PDTC, NAC, ZLLLHあるいはGliotoxinの前処理はIL-1依存的な炎症性因子産生を抑制した. 【結論】HGFにおけるIL-1依存的な各種炎症性因子産生には, 少なくともMAP kinases-AP-1カスケードとIκBα-NFκBカスケードが共に関与している. |
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ISSN: | 0385-0137 |