Ofloxacinの気管支肺胞系移行に関する検討 (第1報)

気管支肺胞洗浄法を用いてピリドンカルボン酸系化学療法剤ofloxacin (OFLX) の気管支肺胞系移行を検討した。OFLX 200mg内服1時間後, 生理食塩水100mlで気管支肺胞洗浄を行なった。対象症例23症例, 26回の検討ではOFLX濃度は血清で1時間値1.83±1.37μg/ml, 2時間値で2.15±1.04μg/ml, 気管支肺胞洗浄液で0.08±0.07μg/mlであった。気管支肺胞洗浄液中のOFLX濃度は肺癌群, 慢性炎症群および間質性肺炎群の3群間では, 肺癌群に比較して慢性炎症群において高値をとる傾向がうかがえた。OFLXの気管支肺胞系への移行性は前回報告したcefm...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inCHEMOTHERAPY Vol. 37; no. 12; pp. 1492 - 1497
Main Authors 宮井, 正博, 浅野, 健夫, 坪田, 輝彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 25.12.1989
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0009-3165
1884-5894
DOI10.11250/chemotherapy1953.37.1492

Cover

More Information
Summary:気管支肺胞洗浄法を用いてピリドンカルボン酸系化学療法剤ofloxacin (OFLX) の気管支肺胞系移行を検討した。OFLX 200mg内服1時間後, 生理食塩水100mlで気管支肺胞洗浄を行なった。対象症例23症例, 26回の検討ではOFLX濃度は血清で1時間値1.83±1.37μg/ml, 2時間値で2.15±1.04μg/ml, 気管支肺胞洗浄液で0.08±0.07μg/mlであった。気管支肺胞洗浄液中のOFLX濃度は肺癌群, 慢性炎症群および間質性肺炎群の3群間では, 肺癌群に比較して慢性炎症群において高値をとる傾向がうかがえた。OFLXの気管支肺胞系への移行性は前回報告したcefmenoxime (CMX), astromicin (ASTM) をわずかながら下回った。血清および気管支肺胞洗浄液の両方でOFLX/アルブミン比が検討できた18例中16例において血清よりも気管支肺胞洗浄液の方が高値をとり, OFLXは気管支肺胞系への移行がよいものと考えられた。
ISSN:0009-3165
1884-5894
DOI:10.11250/chemotherapy1953.37.1492