乳腺葉状腫瘍の3例 -特に診断所見の検討について

葉状腫瘍は線維上皮性腫瘍であり,その増殖性の違いから良性,境界型,悪性に分類される.病型分類は治療方針決定において重要であるが,その術前診断は困難である. われわれは1990年より2003年9月末までに乳腺葉状腫瘍を3例経験しており,病型は2例が悪性, 1例が良性であった.術前画像診断ではMMGとUSで病型診断は困難であり, Dynamic MRIのtime intensity curveでは,悪性例で漸増型,良性例で急増型を示し,通常の浸潤性乳管癌の増強パターンとは一致しなかった.悪性例の1例では術前にマンモトーム生検にて病型分類が可能であった.手術は悪性例2例には単純乳房切除術を施行し,良...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 8; pp. 2077 - 2082
Main Authors 高橋, 弘昌, 藤好, 真人, 伊藤, 智雄, 田口, 和典, 高橋, 將人, 藤堂, 省
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.08.2004
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.2077

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Summary:葉状腫瘍は線維上皮性腫瘍であり,その増殖性の違いから良性,境界型,悪性に分類される.病型分類は治療方針決定において重要であるが,その術前診断は困難である. われわれは1990年より2003年9月末までに乳腺葉状腫瘍を3例経験しており,病型は2例が悪性, 1例が良性であった.術前画像診断ではMMGとUSで病型診断は困難であり, Dynamic MRIのtime intensity curveでは,悪性例で漸増型,良性例で急増型を示し,通常の浸潤性乳管癌の増強パターンとは一致しなかった.悪性例の1例では術前にマンモトーム生検にて病型分類が可能であった.手術は悪性例2例には単純乳房切除術を施行し,良性例には腫瘍摘出術のみを施行した.免疫染色では, Ki-67およびp53が,良性例に比し,悪性例において,多数の細胞で陽性であり,病型分類に有用であった. CEAは3例とも陽性であった. 術後は補助療法を行わず経過観察をしているが現在まで再発を認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.2077