乳児腸内細菌叢とアレルギー発症の関連性の解析

「目的」近年先進国では, 乳幼児のアレルギー罹患率増加が顕著である. そして, これまでの国内外の多くの研究により, 腸内細菌がアレルギー発症に影響していることが示唆されている. 本研究は, 乳幼児のアレルギー発症早期予知法の開発を目標に, 日本における乳児の腸内細菌叢を詳細に解析し, アレルギー発症との関連性を見出すことを目的としている. 「方法」新生児86名から生後2ヶ月間の糞便サンプルを採取し, さらに2年後にアレルギー発症(アトピー性皮膚炎, 喘息, 食物アレルギー)の有無についてアンケート調査を行った. 生後2年間にアレルギー症状が見られた被験者は13名であり, それらをアレルギー罹...

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Published in腸内細菌学雑誌 Vol. 21; no. 2; p. 75
Main Authors 中山二郎, Prapa Songjinda, 立山敦, 田中重光, 清原千香子, 園元謙二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ビフィズス菌センター 01.04.2007
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ISSN1343-0882

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Summary:「目的」近年先進国では, 乳幼児のアレルギー罹患率増加が顕著である. そして, これまでの国内外の多くの研究により, 腸内細菌がアレルギー発症に影響していることが示唆されている. 本研究は, 乳幼児のアレルギー発症早期予知法の開発を目標に, 日本における乳児の腸内細菌叢を詳細に解析し, アレルギー発症との関連性を見出すことを目的としている. 「方法」新生児86名から生後2ヶ月間の糞便サンプルを採取し, さらに2年後にアレルギー発症(アトピー性皮膚炎, 喘息, 食物アレルギー)の有無についてアンケート調査を行った. 生後2年間にアレルギー症状が見られた被験者は13名であり, それらをアレルギー罹患群とした. 腸内細菌叢の解析は, 全真正細菌, Bifidobacterium属, Bacteroides-Prevotellaグループ, Enterococcus属, Clostridium perfringensグループ, Enterobacteriaceaeグループ, Klebsiella-Enterobacterグループ, Lactobacillus属を標的としたプライマーを用いたリアルタイムPCRにより, 糞便サンプル中の各細菌16S rRNA遺伝子コピー数を定量した.
ISSN:1343-0882