手術室における褥瘡発生の危険因子に関する看護研究の動向と課題 - 2004年から2020年の国内文献の叙述的レビュー

「要旨」【背景・目的】近年, 手術手技の多様化や術中体位固定機器の開発に伴い, 術中の褥瘡予防の方法も複雑化している. そこで, 手術室における褥瘡発生の危険因子について, どのような看護研究が行われているかをレビューし, 研究の動向と課題を明らかにすることを目的として本研究を行った. 【方法】Web版医学中央雑誌とメディカルオンラインのデータベースを用いて, 2004年から2020年までに出版された文献を対象に検索した. 検索式は「手術AND褥瘡AND体位」とし, 原著論文に限定し, 褥瘡発生率をもとに発生因子を検討した結果が含まれている論文を選択した. 【結果・考察】215件から選別し,...

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Published in兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 Vol. 28; pp. 65 - 78
Main Author 小嶋里枝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所 01.03.2021
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ISSN1881-6592

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Summary:「要旨」【背景・目的】近年, 手術手技の多様化や術中体位固定機器の開発に伴い, 術中の褥瘡予防の方法も複雑化している. そこで, 手術室における褥瘡発生の危険因子について, どのような看護研究が行われているかをレビューし, 研究の動向と課題を明らかにすることを目的として本研究を行った. 【方法】Web版医学中央雑誌とメディカルオンラインのデータベースを用いて, 2004年から2020年までに出版された文献を対象に検索した. 検索式は「手術AND褥瘡AND体位」とし, 原著論文に限定し, 褥瘡発生率をもとに発生因子を検討した結果が含まれている論文を選択した. 【結果・考察】215件から選別し, 14件の論文が分析対象となった. 評価項目として, 手術時間, 体圧, 皮膚湿潤, 体格, 年齢, ノルアドレナリンの使用, 診療科, 出血量などがあったが, 結果は一貫していなかった. その理由として, 術式や体位などの手術要因や患者要因が多様なことに加え, 褥瘡の定義や評価方法や分析手法が多様であったことが考えられた. 【結論】体位や術式ごとに評価することや, 褥瘡の定義や評価方法を統一して危険因子を検討していく必要がある.
ISSN:1881-6592