ICUにおける理学療法の集中治療後症候群 (PICS) 対策 - 当院ICUにおける早期能動的運動療法の取り組み

「要旨」Intensive care unit (ICU) acquired weaknessは, ICUに入室する重症患者に特有の筋力低下であり, 認知機能面の障害や精神機能面の障害と合わせて, 集中治療後症候群(post intensive care syndrome;PICS)の一部とされる. この状態は, ICU退室後の長期間にも遷延し, 入院期間, 転帰先の選定, あるいは退院後の社会生活に悪影響を与える. そのため, これらPICSへの対策は重要な課題として認識され, 近年ではその予防を目的として多職種から様々な対策が試みられている. 理学療法においても. PICS予防としてICU...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in理学療法の科学と研究 Vol. 12; no. 1; pp. 3 - 8
Main Authors 古川誠一郎, 今井正太郎, 竹内弥彦, 村田淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 千葉県理学療法士会 15.02.2021
Online AccessGet full text
ISSN1884-9032

Cover

More Information
Summary:「要旨」Intensive care unit (ICU) acquired weaknessは, ICUに入室する重症患者に特有の筋力低下であり, 認知機能面の障害や精神機能面の障害と合わせて, 集中治療後症候群(post intensive care syndrome;PICS)の一部とされる. この状態は, ICU退室後の長期間にも遷延し, 入院期間, 転帰先の選定, あるいは退院後の社会生活に悪影響を与える. そのため, これらPICSへの対策は重要な課題として認識され, 近年ではその予防を目的として多職種から様々な対策が試みられている. 理学療法においても. PICS予防としてICUにおける活動及び報告が活発に行われている. 当院においても, ICU専任の理学療法士を中心に「早期集中的リハビリテーション」「早期能動的運動療法」「早期離床プロトコール」を独自に策定し, PICS予防に取り組んでいる. 本稿ではICU入室者の特徴を解説するとともに, 当院における理学療法の活動を紹介し, 現在抱えている課題と将来への展望を解説する.
ISSN:1884-9032