抗血栓性部分体外循環法を用いた胸部下行大動脈瘤手術
1993年9月より1996年4月までに胸部下行大動脈を主体とした動脈瘤15例に対し, 左開胸による抗血栓処理部分体外循環法を用いた手術を行った. 疾患内訳は, 真性動脈瘤 (うち, 破裂例2例) 10例, 慢性解離性大動脈瘤4例, 大動脈縮窄症を伴う大動脈瘤1例で, 実施した手術は人工血管置換術12例. パッチ閉鎖術3例であった. 手術死亡は1例で, 虚血性心疾患を有する真性下行大動脈瘤破裂, ショックにて緊急手術を行い, 術後, 心筋梗塞によると考えられる急性心不全で失った. その他の14症例では本補助手段に起因すると考えられる血栓塞栓症等の合併症や術後諸臓器不全, 出血性合併症もなく, 全...
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 26; no. 6; pp. 360 - 364 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
15.11.1997
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.26.360 |
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Summary: | 1993年9月より1996年4月までに胸部下行大動脈を主体とした動脈瘤15例に対し, 左開胸による抗血栓処理部分体外循環法を用いた手術を行った. 疾患内訳は, 真性動脈瘤 (うち, 破裂例2例) 10例, 慢性解離性大動脈瘤4例, 大動脈縮窄症を伴う大動脈瘤1例で, 実施した手術は人工血管置換術12例. パッチ閉鎖術3例であった. 手術死亡は1例で, 虚血性心疾患を有する真性下行大動脈瘤破裂, ショックにて緊急手術を行い, 術後, 心筋梗塞によると考えられる急性心不全で失った. その他の14症例では本補助手段に起因すると考えられる血栓塞栓症等の合併症や術後諸臓器不全, 出血性合併症もなく, 全例軽快退院した. 今回の臨床的検討により, 本法は, 胸部下行大動脈手術の補助手段として, 安全で有効な方法であると考えられた. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.26.360 |