大学生アスリートにおける慢性足関節不安定症の競技別有病率の特徴

〔要旨〕慢性足関節不安定症(CAI)は足関節内反捻挫の後遺症としてスポーツ活動等に支障をきたすが, 本邦においてCAI有病率の報告は少なく, 大学生アスリートを対象としたCAI有病率は不明である. 本研究の目的は大学生アスリートを対象にCAI有病率を競技別に調査することとした. 大学体育系部活動に所属する364名を対象に, International Ankle Consortiumの推奨基準に準じた質問紙を用いて調査した結果, CAI有病率は8.2%であった. 競技別のCAI有病率は男子バスケットボール(23.5%)において高かった. 足関節捻挫の既往率が高かったのは男子バスケットボールと男...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 30; no. 3; pp. 724 - 731
Main Authors 中島千佳, 吉田昌弘, 石川凌, 小林匠, 吉田真, 沖田孝一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2022
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕慢性足関節不安定症(CAI)は足関節内反捻挫の後遺症としてスポーツ活動等に支障をきたすが, 本邦においてCAI有病率の報告は少なく, 大学生アスリートを対象としたCAI有病率は不明である. 本研究の目的は大学生アスリートを対象にCAI有病率を競技別に調査することとした. 大学体育系部活動に所属する364名を対象に, International Ankle Consortiumの推奨基準に準じた質問紙を用いて調査した結果, CAI有病率は8.2%であった. 競技別のCAI有病率は男子バスケットボール(23.5%)において高かった. 足関節捻挫の既往率が高かったのは男子バスケットボールと男子テニス(100%)であり, 足関節捻挫が多く発生する競技においてCAI有病率が高い結果となった. 以上のことから, 初回捻挫の予防や捻挫後のアスレティックリハビリテーションなどCAIへの移行を予防する方法を確立する必要がある.
ISSN:1346-4159