がんの再発不安を抱くサバイバーを支援する看護相談技術

「要旨」【目的】本研究の目的は, 再発不安を抱くがんサバイバーを支援する効果的な看護相談技術について明らかにすることである. 【方法】がんの再発不安について相談対応経験を有するがん看護専門看護師を対象に, フォーカスグループインタビューを実施し, がんサバイバーの再発不安に対する具体的な相談対応の内容, 方法, 判断とそれに対する相談者の反応について情報を得た. 得られたデータは, Vaughn, Schumm, & Sinagub (1996)によるフォーカスグループインタビューの質的データ分析手法を参考に分析を行った. 【結果】研究協力者は11名のがん看護専門看護師であった. 得ら...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 Vol. 26; pp. 1 - 14
Main Author 湯浅幸代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所 01.03.2019
Online AccessGet full text
ISSN1881-6592

Cover

More Information
Summary:「要旨」【目的】本研究の目的は, 再発不安を抱くがんサバイバーを支援する効果的な看護相談技術について明らかにすることである. 【方法】がんの再発不安について相談対応経験を有するがん看護専門看護師を対象に, フォーカスグループインタビューを実施し, がんサバイバーの再発不安に対する具体的な相談対応の内容, 方法, 判断とそれに対する相談者の反応について情報を得た. 得られたデータは, Vaughn, Schumm, & Sinagub (1996)によるフォーカスグループインタビューの質的データ分析手法を参考に分析を行った. 【結果】研究協力者は11名のがん看護専門看護師であった. 得られたデータから, 再発不安を抱くがんサバイバーへの効果的な看護相談技術として, 【再発不安を抱えるサバイバーに看護師として対峙する】, 【再発不安を抱えるサバイバーをキャッチする】, 【尊厳に配慮する】, 【再発不安を効果的に受け止める】, 【再発不安について評価する】, 【再発不安に関与する身体症状を評価する】, 【再発不安にどのように対処しているか把握する】, 【不安の程度に応じた関わりについて判断する】, 【不安を抱えるサバイバーの気持ちを支える】, 【サバイバーの準備性を高める】, 【再発不安に対処することを勧める】, 【適切なリソースの活用につなげる】, 【サバイバーの精神状態に影響する家族の不安に対処する】の13の相談技術が見出された. これらの相談技術はサバイバーの反応によって組み合わせて用いられていた. 【結論】再発不安を抱くがんサバイバーを効果的に支援する13の看護相談技術が明らかとなった. がん治療を終えてもなお持続する再発の不安に対して, 多面的な支援を行っていく必要性が示唆された.
ISSN:1881-6592