がん患者のセルフケア能力を引き出す意思決定支援Web Siteの構成要素

「要旨」【目的】がん患者のセルフケア能力を引き出す意思決定支援Web Site, およびセルフケア能力が低下している患者の意思決定支援を円滑に進めるための看護師用Web Site(NSSDMを活用)の構成要素を抽出すること. 【方法】がん看護専門看護師4名を対象に, 意思決定支援上の課題およびプログラム構成についてフォーカスグループインタビューを行い, Web Siteの試案を作成した. その後, がん患者7名およびがん看護専門看護師4名にWeb Siteの改善点についてアンケート調査を行った. 【結果】意思決定支援上の課題としては, 【患者が必要する時期に意思決定支援が行えていない】, 【個...

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Published in兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 Vol. 27; pp. 49 - 63
Main Authors 川崎優子, 内布敦子, 内田恵, 橋口周子, 奥出有香子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所 01.03.2020
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ISSN1881-6592

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Summary:「要旨」【目的】がん患者のセルフケア能力を引き出す意思決定支援Web Site, およびセルフケア能力が低下している患者の意思決定支援を円滑に進めるための看護師用Web Site(NSSDMを活用)の構成要素を抽出すること. 【方法】がん看護専門看護師4名を対象に, 意思決定支援上の課題およびプログラム構成についてフォーカスグループインタビューを行い, Web Siteの試案を作成した. その後, がん患者7名およびがん看護専門看護師4名にWeb Siteの改善点についてアンケート調査を行った. 【結果】意思決定支援上の課題としては, 【患者が必要する時期に意思決定支援が行えていない】, 【個別的な意思決定支援ができる人材の不足】, 【意思決定支援にまつわる技術と判断基準の不明確さ】の3点が抽出された. Web Siteの構成としては, 【患者が活用しやすい情報ツールの洗練】, 【がん医療に関する最新情報が効率的にUp-dateできるWeb Siteづくり】, 【意思決定支援を進める判断基準の明確化】, 【汎用性を考慮したプログラムの検討および臨床応用に必要な要素】の4つのカテゴリが抽出された. さらに, 臨床応用するための要素としては, 【意思決定支援技術を洗練するためのしくみづくり】が抽出された. 以上の内容をもとにWeb Site試案作成し, 改善点に関する調査を行った. 最終的に, 患者用Web Siteは, がん患者のセルフケア能力を生かした意思決定支援を行うためのガイドとなる情報を6つ掲載した. 看護師用Web Siteは, モデルの活用方法および研究者と介入者である看護師が双方向性に情報交換できるシステムを掲載した. 【結論】患者閲覧用は, 意思決定支援においてセルフケア能力を引き出すために必要な要素が特定された. 看護師閲覧用は, Web Siteの活用範囲や看護師が用いる技術の判断基準を明確化することで, 看護師の教育用ツールとして活用できることが示唆された.
ISSN:1881-6592