女性に発症したFournier壊疽の1例

症例は79歳の女性. 2004年7月,頭痛・意識レベルの低下が出現し,当院に緊急搬送され入院となった.入院時血圧が69/38mmHgとショック状態であり,会陰右側の皮膚壊死・腫脹,右下腹部から大腿内側の皮下気腫を認めた.腹部CTにて右会陰部軟部組織内および右下腹壁にガス像を認め, Fournier壊疽ならびに敗血症性ショックと診断した.ただちに会陰・右下腹部の皮膚切開,壊疽した会陰軟部組織のデブリードマンを行った.局所および全身状態が改善したため,術後42日目会陰部の縫合術を行った.報告例の少ない本疾患であるが, septic shock時に原疾患としての鑑別診断として重要であり,また女性患者...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 3; pp. 720 - 723
Main Authors 本島, 柳司, 榎本, 和夫, 落合, 武徳, 岩崎, 好太郎, 吉田, 正美
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.03.2005
Subjects
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.720

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Summary:症例は79歳の女性. 2004年7月,頭痛・意識レベルの低下が出現し,当院に緊急搬送され入院となった.入院時血圧が69/38mmHgとショック状態であり,会陰右側の皮膚壊死・腫脹,右下腹部から大腿内側の皮下気腫を認めた.腹部CTにて右会陰部軟部組織内および右下腹壁にガス像を認め, Fournier壊疽ならびに敗血症性ショックと診断した.ただちに会陰・右下腹部の皮膚切開,壊疽した会陰軟部組織のデブリードマンを行った.局所および全身状態が改善したため,術後42日目会陰部の縫合術を行った.報告例の少ない本疾患であるが, septic shock時に原疾患としての鑑別診断として重要であり,また女性患者の本邦報告数は自験例を含めて13例と稀有であるため,症例を提示し,若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.720