アメリカビーバー (Castor canadensis) の食道扁平上皮癌の一例

「要約」アメリカビーバー(Castor canadensis), 雄, 12歳, が継続的な吐出を呈し死亡した. 剖検では, 狭窄を伴う食道壁の肥厚を認めた. 病理組織学的検査では, 食道において粘膜面から外膜にかけての全層に渡って角化細胞への分化を示す腫瘍細胞が島状, 索状に増殖しており, その中心部には同心円状の角化巣(癌真珠)が認められた. 以上の所見より, 食道扁平上皮癌と診断した. 本報告は, アメリカビーバーにおける食道扁平上皮癌の初の報告である....

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Published in日本野生動物医学会誌 Vol. 27; no. 2; pp. 153 - 156
Main Authors 川瀬啓祐, 藤井勇紀, 石塚駿, 赤上正貴, 正藤陽久, 飯田伸弥, 生江信孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本野生動物医学会 01.09.2022
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ISSN1342-6133

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Summary:「要約」アメリカビーバー(Castor canadensis), 雄, 12歳, が継続的な吐出を呈し死亡した. 剖検では, 狭窄を伴う食道壁の肥厚を認めた. 病理組織学的検査では, 食道において粘膜面から外膜にかけての全層に渡って角化細胞への分化を示す腫瘍細胞が島状, 索状に増殖しており, その中心部には同心円状の角化巣(癌真珠)が認められた. 以上の所見より, 食道扁平上皮癌と診断した. 本報告は, アメリカビーバーにおける食道扁平上皮癌の初の報告である.
ISSN:1342-6133