ACL損傷の予防に向けて開発したElastomeric StrapのKnee-in制動効果 - 二次元画像による着地動作の解析

〔要旨〕(目的)前十字靱帯(anterior cruciate ligament : ACL)損傷の予防に向け, 弾性素材を用いて開発したElastomeric Strap(ES)の, 着地動作におけるknee-inの制動効果を検証する. (方法)体幹・下肢に疾患が無くknee-inを呈する女子大学生28名(平均年齢19.9±0.8歳)を対象とした. Compression wearの上から大殿筋と縫工筋の走行に近似させたラインのES(ES+)とラインなしのCompression wear(ES-)をランダムに装着させ, 30cm台からの片脚着地動作を実施した. ハイスピードカメラを用いて前額...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 30; no. 3; pp. 611 - 617
Main Authors 三浦大祐, 小柳磨毅, 向井公一, 成俊弼, 森下聖, 境隆弘, 越野八重美, 中野和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2022
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕(目的)前十字靱帯(anterior cruciate ligament : ACL)損傷の予防に向け, 弾性素材を用いて開発したElastomeric Strap(ES)の, 着地動作におけるknee-inの制動効果を検証する. (方法)体幹・下肢に疾患が無くknee-inを呈する女子大学生28名(平均年齢19.9±0.8歳)を対象とした. Compression wearの上から大殿筋と縫工筋の走行に近似させたラインのES(ES+)とラインなしのCompression wear(ES-)をランダムに装着させ, 30cm台からの片脚着地動作を実施した. ハイスピードカメラを用いて前額面から撮影し, 接地前後の40msごとに静止画を抽出した. 静止画から上前腸骨棘と膝蓋骨中心を結んだ延長線と母趾中央部の距離を測定し, 3回の平均値を膝内側移動量とした. (結果)ES+/ES-の膝内側移動量(cm)は, 接地前40ms(-0.3±2.4/3.1±2.7), 接地時(-0.2±2.7/3.4±2.3), 接地後40ms(-1.0±2.6/3.0±2.7), 接地後80ms(1.1±3.7/5.0±3.1)であり, 全ての時間でES+が有意に低値を示した. (結語)骨盤帯から大殿筋と縫工筋の走行に近似させたESは, 片脚着地前後のknee-inを制動した.
ISSN:1346-4159