大腿二頭筋肉ばなれのMRI分類

〔要旨〕大腿二頭筋肉ばなれについて, MRIによる分類を試みた. 急性期の大腿二頭筋肉ばなれ203例を, 損傷部位によりI型: 筋線維部, II型: 腱膜部, III型: 筋腱付着部の3つの損傷型(タイプ)に分けた. さらに最大損傷部の横断像から3つの損傷度(グレード, 1度: わずかな損傷, 2度: 部分断裂, 3 度: 完全断裂)に分類した. その結果, I型が9例(4%), II型が174例(86%), III型が20例(10%)であった. 最も症例数の多かったII型で損傷度をみてみると, 1度が81例(47%), 2度が60例(34%), 3度が33例(19%)であった. 元のスポーツ...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 27; no. 2; pp. 250 - 257
Main Authors 奥脇透, 中嶋耕平, 半谷美夏, 福田直子, 水谷有里, 高橋佐江子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 30.04.2019
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕大腿二頭筋肉ばなれについて, MRIによる分類を試みた. 急性期の大腿二頭筋肉ばなれ203例を, 損傷部位によりI型: 筋線維部, II型: 腱膜部, III型: 筋腱付着部の3つの損傷型(タイプ)に分けた. さらに最大損傷部の横断像から3つの損傷度(グレード, 1度: わずかな損傷, 2度: 部分断裂, 3 度: 完全断裂)に分類した. その結果, I型が9例(4%), II型が174例(86%), III型が20例(10%)であった. 最も症例数の多かったII型で損傷度をみてみると, 1度が81例(47%), 2度が60例(34%), 3度が33例(19%)であった. 元のスポーツレベルまでの競技復帰時期は185例で確認し, I型が1.6週, II型が4.9週, III型が22.1週と, それぞれの間に有意な差を認めた. さらにII型の中では, 1度が2.0週, 2度が6.4週, 3度が9.8週と, それぞれの間で有意差がみられた. MRIによる肉ばなれ分類は, 大腿二頭筋の肉ばなれの重症度や予後を推測する上で有用であることがわかった. とくに大腿二頭筋長頭では腱膜損傷が特徴的であり, その損傷度を評価することが重要であると思われた.
ISSN:1346-4159