マルチオミックス解析から見えてきた内分泌疾患

副腎皮質は各層で異なるステロイドホルモンを産生する内分泌臓器であり, その機能異常はさまざまな病態を引き起こす. 近年のマルチオミックス解析, とくにシングルセルRNAシーケンシングと空間トランスクリプトーム解析の技術革新により, 副腎疾患の分子メカニズムの理解は飛躍的に進展している. 本稿では, これらの解析技術により解明された加齢に伴う層構造の変化とその制御メカニズム, アルドステロン産生腺腫やコルチゾール産生腺腫の前駆病変であるアルドステロン産生細胞クラスターやステロイド産生結節の分子特性, さらには副腎皮質腫瘍の細胞多様性について, マクロファージを介した微小環境との相互作用も含めて概...

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Published in炎症と免疫 Vol. 33; no. 3; pp. 202 - 205
Main Authors 岩橋徳英, 馬越洋宜, 小川佳宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 先端医学社 20.04.2025
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ISSN0918-8371

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Summary:副腎皮質は各層で異なるステロイドホルモンを産生する内分泌臓器であり, その機能異常はさまざまな病態を引き起こす. 近年のマルチオミックス解析, とくにシングルセルRNAシーケンシングと空間トランスクリプトーム解析の技術革新により, 副腎疾患の分子メカニズムの理解は飛躍的に進展している. 本稿では, これらの解析技術により解明された加齢に伴う層構造の変化とその制御メカニズム, アルドステロン産生腺腫やコルチゾール産生腺腫の前駆病変であるアルドステロン産生細胞クラスターやステロイド産生結節の分子特性, さらには副腎皮質腫瘍の細胞多様性について, マクロファージを介した微小環境との相互作用も含めて概説する.
ISSN:0918-8371