高齢在宅療養者の訪問看護による重症化予防のアウトカム指標の検討
「要旨」【目的】訪問看護サービス導入事例における在宅療養中の高齢者の重症化予防のアウトカムとそれをもたらした訪問看護の援助内容を明らかにし, 訪問看護による重症化予防のアウトカム評価指標を検討した. 【方法】経験豊かな訪問看護師を研究協力者とし, 過去1~2年の間で経験した訪問看護事例で, 訪問看護サービスが入ることで重症化を予防できたと判断する事例を想起してもらい, 訪問看護導入時と調査時の間の利用者の変化の内容とその事例への訪問看護師の意図的な援助内容について語ってもらい, 分析データとした. 【結果】経験豊かな訪問看護師4名より13事例を聴取し, うち介護度が軽度の7例を分析対象とした....
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| Published in | 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 Vol. 26; pp. 15 - 24 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所
01.03.2019
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| ISSN | 1881-6592 |
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| Summary: | 「要旨」【目的】訪問看護サービス導入事例における在宅療養中の高齢者の重症化予防のアウトカムとそれをもたらした訪問看護の援助内容を明らかにし, 訪問看護による重症化予防のアウトカム評価指標を検討した. 【方法】経験豊かな訪問看護師を研究協力者とし, 過去1~2年の間で経験した訪問看護事例で, 訪問看護サービスが入ることで重症化を予防できたと判断する事例を想起してもらい, 訪問看護導入時と調査時の間の利用者の変化の内容とその事例への訪問看護師の意図的な援助内容について語ってもらい, 分析データとした. 【結果】経験豊かな訪問看護師4名より13事例を聴取し, うち介護度が軽度の7例を分析対象とした. 7例中5例において服薬の自己管理の改善が確認され, 定期外受診の減少も含めると全ての事例について, 救急車呼び出し回数の減少あるいは入院回数の減少など医療の利用が適正化されていた. 看護職はすべてのケースにおいて, 身体面のアセスメントに基づいたセルフケアの指導を行っていた. 【考察】服薬の自己管理と医療利用の適正化は, 訪問看護による本人・家族のセルフケア向上を反映する簡便な評価指標とできると考えられた. 今後は, 予防の観点から訪問看護の結果評価を適用する適切な対象設定を検討し, 訪問看護師のエンパワメントにつながるような簡便なツール開発が求められる. |
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| ISSN: | 1881-6592 |