術後合併症, 後戻りへの対応

「はじめに」開咬症は垂直的な形態異常を呈するものであり, 適応される顎矯正手術は, 一般的に上下顎骨同時骨切り術(上顎上方移動+下顎骨形成術)であることが多い. 術後合併症および安定性に関する問題については下記の事が挙げられる. 「術後合併症」「・出血と腫脹」大規模な腫脹を伴う二次的な出血や気道閉塞を起こすような浮腫は代表的な合併症の一つである. このような状況では, 全身状態のモニタリングおよび局所への冷罨法とステロイド投与が重要である. また, 上顎上方移動を行うために下行口蓋動脈周囲や翼状突起周囲の骨削除を行っていることが多いため, 術後の血圧上昇に伴う再出血や鼻腔粘膜の腫脹による鼻閉や...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 31; no. 4; pp. 244 - 247
Main Author 山内健介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 15.12.2021
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ISSN0916-7048

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Summary:「はじめに」開咬症は垂直的な形態異常を呈するものであり, 適応される顎矯正手術は, 一般的に上下顎骨同時骨切り術(上顎上方移動+下顎骨形成術)であることが多い. 術後合併症および安定性に関する問題については下記の事が挙げられる. 「術後合併症」「・出血と腫脹」大規模な腫脹を伴う二次的な出血や気道閉塞を起こすような浮腫は代表的な合併症の一つである. このような状況では, 全身状態のモニタリングおよび局所への冷罨法とステロイド投与が重要である. また, 上顎上方移動を行うために下行口蓋動脈周囲や翼状突起周囲の骨削除を行っていることが多いため, 術後の血圧上昇に伴う再出血や鼻腔粘膜の腫脹による鼻閉や鼻出血も問題となる. 術後出血が危惧される症例では, 低血圧麻酔下での施術を行ったとしても, 術中に一度昇圧をはかり, 異常出血がないことを確認することも有効である.
ISSN:0916-7048