重症新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) 患者に対する腹臥位療法の効果

「要旨」:〔目的〕重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対する腹臥位療法実施前後の呼吸機能を明らかにすることを目的とした. 〔対象と方法〕2020年3月~2021年11月に日本赤十字社医療センターで人工呼吸器管理を行ったCOVID-19患者24例を対象とした. 対象群における腹臥位療法実施前後での呼吸機能を比較検討した. 呼吸機能の指標には, 血液データからP/F比と人工呼吸器のグラフィックモニターからPpeak, PEEP, ΔP, Cstatを用いた. 〔結果〕腹臥位療法実施後, P/F比とCstatは有意に増加していた. 腹臥位療法実施後, PpeakとPEEP, ΔPは...

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Published in理学療法科学 Vol. 37; no. 6; pp. 627 - 633
Main Authors 千葉康平, 金子賢人, 出雲雄大, 山下智幸, 林宗博, 田中清和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 20.12.2022
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ISSN1341-1667

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Summary:「要旨」:〔目的〕重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対する腹臥位療法実施前後の呼吸機能を明らかにすることを目的とした. 〔対象と方法〕2020年3月~2021年11月に日本赤十字社医療センターで人工呼吸器管理を行ったCOVID-19患者24例を対象とした. 対象群における腹臥位療法実施前後での呼吸機能を比較検討した. 呼吸機能の指標には, 血液データからP/F比と人工呼吸器のグラフィックモニターからPpeak, PEEP, ΔP, Cstatを用いた. 〔結果〕腹臥位療法実施後, P/F比とCstatは有意に増加していた. 腹臥位療法実施後, PpeakとPEEP, ΔPは減少していたが有意差はなかった. 〔結語〕重症COVID-19患者に対する腹臥位療法実施は, 呼吸状態改善に寄与することが示唆された.
ISSN:1341-1667