人工股関節置換術を行う際の体位が周術期に及ぼす影響 - 術後胸部エックス線の比較による評価
「はじめに」人工股関節置換術 (以下THA) では側臥位でのアプローチが主流だが, 近年低侵襲手術 (MIS) の普及に伴い, 仰臥位前方侵入法によるTHAの頻度が増加している. 当院では2005年9月より仰臥位でのdirect anterior approach (以下DAA) を開始した. 今回我々は術中体位の違いが周術期の経過に及ぼす影響を, 術後胸部レントゲン (以下X線) の所見を中心に検討した. 「対象と方法」2006年1月~2008年12月までに当科で施行したTHA 120例 (男性31例, 女性89例) を対象とした. 平均年齢は64.2歳で, 原疾患は変形性股関節症100例,...
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Published in | 日本関節病学会誌 Vol. 31; no. 2; pp. 121 - 127 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本関節病学会
2012
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1883-2873 |
Cover
Summary: | 「はじめに」人工股関節置換術 (以下THA) では側臥位でのアプローチが主流だが, 近年低侵襲手術 (MIS) の普及に伴い, 仰臥位前方侵入法によるTHAの頻度が増加している. 当院では2005年9月より仰臥位でのdirect anterior approach (以下DAA) を開始した. 今回我々は術中体位の違いが周術期の経過に及ぼす影響を, 術後胸部レントゲン (以下X線) の所見を中心に検討した. 「対象と方法」2006年1月~2008年12月までに当科で施行したTHA 120例 (男性31例, 女性89例) を対象とした. 平均年齢は64.2歳で, 原疾患は変形性股関節症100例, 大腿骨頭壊死16例, その他4例 (大腿骨頚部骨折術後偽関節2例, 強直股関節1例, 人工骨頭置換術後のゆるみ1例) であった. また主な既往症は高血圧43例, 心疾患 (不整脈, 虚血性心疾患など) 9例, 糖尿病14例, 呼吸器疾患 (気管支喘息, 陳旧性肺結核, 間質性肺炎など) 10例, 慢性腎不全2例であった. |
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ISSN: | 1883-2873 |