閉塞性黄疸肝への流入血行遮断解除時の病態に関する実験的検討 肝活性酸素生成とエンドトキシン血症の関与を中心に
閉塞性黄疸犬 (閉黄群) に対する肝流入血行遮断後の再還流が肝活性酸素を生成し, それにエンドトキシン (ET) 血症が関与するのかを, 総胆管下大静脈シャント犬 (シャント群), 正常群と比較検討した.3群ともに2回の血行遮断により低下した肝energy chargeは遮断解除後速やかに回復し, 肝過酸化脂質量の増加は終始みられなかった.血中ET値は正常群では正常域内であり, シャント群では軽度の増加を認めたが, ともに肝glutathione (GSH), α-tocopherol (α-toc) 量に変化はみられなかった.一方, 閉黄群では遮断解除後門脈血中高ETレベルと肝GSH, α-...
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| Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 24; no. 7; pp. 1964 - 1969 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.07.1991
一般社団法人日本消化器外科学会 The Japanese Society of Gastroenterological Surgery |
| Subjects | |
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| ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI | 10.5833/jjgs.24.1964 |
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| Summary: | 閉塞性黄疸犬 (閉黄群) に対する肝流入血行遮断後の再還流が肝活性酸素を生成し, それにエンドトキシン (ET) 血症が関与するのかを, 総胆管下大静脈シャント犬 (シャント群), 正常群と比較検討した.3群ともに2回の血行遮断により低下した肝energy chargeは遮断解除後速やかに回復し, 肝過酸化脂質量の増加は終始みられなかった.血中ET値は正常群では正常域内であり, シャント群では軽度の増加を認めたが, ともに肝glutathione (GSH), α-tocopherol (α-toc) 量に変化はみられなかった.一方, 閉黄群では遮断解除後門脈血中高ETレベルと肝GSH, α-tocの減少を認めたことより, 活性酸素の生成が推察されたが, 肝には脂質過酸化反応によるエネルギー代謝障害はみられず, 肝はラジカルの攻撃よりよく防御されていたものと思われた.閉塞性黄疸肝に対する虚血後血流再開は活性酸素を生成し, その一因にETが関与している可能性が示唆された. |
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| ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI: | 10.5833/jjgs.24.1964 |