1,450ppmフッ化物配合歯磨剤によるブラッシング後の安静時唾液中フッ化物イオンの残存状況に関する報告

「概要」 : 本研究では, 1,450ppmフッ化物配合歯磨剤によるブラッシング後60分間の唾液中フッ化物イオン濃度の経時測定を行い報告するものである. 歯磨剤には市販1,450ppmフッ化物配合歯磨剤を, そしてこれまで複数の報告があるが, 参考として現在広く用いられている950ppmの市販フッ化物配合歯磨剤による経時測定も行った. ブラッシング直後の洗口については, 行わない場合ともしくは25mLによる超純水による洗口を行う場合とした. ブラッシング直前およびブラッシング直後, 5分, 10分, 15分, 30分, 60分後の計7回の安静時唾液を4分間採取し, 唾液中に含まれるフッ化物イオ...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 72; no. 3; pp. 173 - 177
Main Authors 葛西礼衣, 福井誠, 柳沢志津子, 片岡宏介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 30.07.2022
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ISSN0023-2831

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Summary:「概要」 : 本研究では, 1,450ppmフッ化物配合歯磨剤によるブラッシング後60分間の唾液中フッ化物イオン濃度の経時測定を行い報告するものである. 歯磨剤には市販1,450ppmフッ化物配合歯磨剤を, そしてこれまで複数の報告があるが, 参考として現在広く用いられている950ppmの市販フッ化物配合歯磨剤による経時測定も行った. ブラッシング直後の洗口については, 行わない場合ともしくは25mLによる超純水による洗口を行う場合とした. ブラッシング直前およびブラッシング直後, 5分, 10分, 15分, 30分, 60分後の計7回の安静時唾液を4分間採取し, 唾液中に含まれるフッ化物イオン濃度を測定した. 1,450ppmフッ化物配合歯磨剤では, 洗口なしの場合, ブラッシング直前の唾液中フッ化物イオン濃度と比較してブラッシング10分後までは有意に高いフッ化物イオン濃度が認められた, また, 洗口ありの場合, ブラッシング直後にのみ有意に高いフッ化物イオン濃度が認められた. また1,450ppmと950ppmフッ化物配合歯磨剤の比較では, 洗口なしの場合, ブラッシング直後の唾液にのみ950ppmフッ化物配合歯磨剤よりも1,450ppmフッ化物配合歯磨剤が有意に高い唾液中フッ化物イオン濃度を認め, ブラッシング5分以後は有意な差は認められなかった.
ISSN:0023-2831