健常者スポーツ, パラスポーツの相互理解を目指して - 合同メディカルチェックの試み

• Published in: 日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 30; no. 3; pp. 695 - 702
• Main Authors: 喜多恒允, 田島卓也, 横江琢示, 森田雄大, 長澤誠, 山口奈美, 帖佐悦男
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2022
• ISSN: 1346-4159

〔要旨〕当院では国民スポーツ大会(以下国スポ)出場候補選手や実業団, 高校部活動チームなどのメディカルチェックを継続して施行しており, スポーツ障害や内科的問題点の早期発見に有用であることを報告してきた. 一方, パラスポーツにおいても原疾患や随伴する合併症が基盤にある上で競技に取り組んでおり, 安全に行うためにはメディカルチェックが必要である. 我々は, 宮崎県の掲げる「健常者スポーツ, パラスポーツの合同を目指す」という目標のもと, 国スポ出場候補の健常者アスリートと県強化指定のパラアスリートに対する合同メディカルチェックを計画し, 2021年10月末日に実行した. 検査対象は宮崎県スポーツ協会が選定した健常者アスリート114名およびパラアスリート8名とし, 同日・同場所・同内容のメディカルチェックを行った. 健常者スポーツとパラスポーツの合同メディカルチェックは本邦ではこれまで報告がないが, パラアスリートへメディカルチェックの機会を提供し, 健常者スポーツ, パラスポーツの相互理解を深めるために有用な試みであった. 今後はパラアスリートの対象を拡大して本メディカルチェックを継続していくことが望まれる.