アメリカンフットボールにおける熱中症および外傷発生とグラウンドでの環境変化の検討

〔要旨〕グラウンドでの湿球黒球温度(WBGT)の変化を調査し, 同時期に発生した外傷や熱中症との関係について検討した. 熱中症予防運動指針をもとにWBGT28℃以上に着目して評価した. 8, 9月ともに28℃以上の高値となる日が多かった. 測定期間内で筋痙攣と熱中症は各々35件, 7件であった. これを測定結果と対比すると両者とも1日のうちでWBGTが最も高い時間帯に多く発生する傾向が見られた. 熱中症は半数以上が31℃以上のときに発生していた. フィールドでWBGTを測定することで実際の状況を把握でき, それが熱中症の予防につながると示唆された. また9月でもWBGTが高値となることが多く,...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 23; no. 3; pp. 511 - 518
Main Authors 反町武史, 川原貴, 藤谷博人, 月村泰規, 立石智彦, 中山晴雄, 麻生敬, 福田崇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.08.2015
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕グラウンドでの湿球黒球温度(WBGT)の変化を調査し, 同時期に発生した外傷や熱中症との関係について検討した. 熱中症予防運動指針をもとにWBGT28℃以上に着目して評価した. 8, 9月ともに28℃以上の高値となる日が多かった. 測定期間内で筋痙攣と熱中症は各々35件, 7件であった. これを測定結果と対比すると両者とも1日のうちでWBGTが最も高い時間帯に多く発生する傾向が見られた. 熱中症は半数以上が31℃以上のときに発生していた. フィールドでWBGTを測定することで実際の状況を把握でき, それが熱中症の予防につながると示唆された. また9月でもWBGTが高値となることが多く, 公式戦の時期や時間帯にも検討が必要であると考えられた.
ISSN:1346-4159