ウシのコピー数多型

「はじめに」2倍体の生物では, 父親と母親の配偶子から染色体をそれぞれ1コピーづつ受け継ぎ, 接合して2コピーになる. しかし, 2004年頃からヒトでゲノム構造についての詳細な解析が行われ, 1kbpから数Mbpの欠損または重複によってコピー数が2コピーではない領域がゲノム全体にわたって多数存在することが発見された(lafrateら2004;Sebatら2004;Redonら2006). このような領域は, 検出法にもよるが, 解析された個体で合計するとゲノムサイズの約10%以上にもおよぶこと, また集団に高い頻度で存在することから, コピー数多型(copy number variation...

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Published in動物遺伝育種研究 Vol. 44; no. 2; pp. 15 - 24
Main Author 佐々木慎二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本動物遺伝育種学会 01.08.2016
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ISSN1345-9961

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Summary:「はじめに」2倍体の生物では, 父親と母親の配偶子から染色体をそれぞれ1コピーづつ受け継ぎ, 接合して2コピーになる. しかし, 2004年頃からヒトでゲノム構造についての詳細な解析が行われ, 1kbpから数Mbpの欠損または重複によってコピー数が2コピーではない領域がゲノム全体にわたって多数存在することが発見された(lafrateら2004;Sebatら2004;Redonら2006). このような領域は, 検出法にもよるが, 解析された個体で合計するとゲノムサイズの約10%以上にもおよぶこと, また集団に高い頻度で存在することから, コピー数多型(copy number variation:CNV)あるいはゲノムコピー数多型と呼ぶようになった. その後, CNVは遺伝性疾患を含む様々な形質の表現型や表現型値に影響を与えることが報告され(Zhangら2009), 重要な多型の1つと考えられるようになった.
ISSN:1345-9961