スポーツ系大学におけるスポーツ傷害健康相談の役割

〔要旨〕スポーツ系大学での「スポーツ傷害健康相談」の現状と役割を検討した. 3年間で406人が受診し, 下肢の傷害相談が多く特に足関節捻挫・靭帯損傷が最も多かった. 相談学生の50%以上にエコー検査を行い, 92人に他の医療機関受診を指示, 84人にアスレティックリハビリテーション指導をした. 近隣に医療機関が少なく受診の時間がない本学学生にとって, 傷害に対して適切に対応でき教育的な観点からも有用だと考えられた. 「緒言」本学は2003年に日本で唯一のスポーツ大学として開設され, 在学生全体の約3/4の学生が何らかの運動系クラブに所属している. そして, その学生を保健安全の観点からサポート...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 26; no. 1; pp. 166 - 169
Main Authors 小松猛, 佃文子, 武内孝祐, 大久保衞
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 31.01.2018
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕スポーツ系大学での「スポーツ傷害健康相談」の現状と役割を検討した. 3年間で406人が受診し, 下肢の傷害相談が多く特に足関節捻挫・靭帯損傷が最も多かった. 相談学生の50%以上にエコー検査を行い, 92人に他の医療機関受診を指示, 84人にアスレティックリハビリテーション指導をした. 近隣に医療機関が少なく受診の時間がない本学学生にとって, 傷害に対して適切に対応でき教育的な観点からも有用だと考えられた. 「緒言」本学は2003年に日本で唯一のスポーツ大学として開設され, 在学生全体の約3/4の学生が何らかの運動系クラブに所属している. そして, その学生を保健安全の観点からサポートするべく, 開学から内科的な健康相談の他に, 「スポーツ傷害健康相談」という整形外科的医療相談業務を学内で行っている. 過去の報告からも, 体育系大学生のスポーツ傷害に対して整形外科医が重要な役割を担うことは知られているが, そのサポート体制については大学によって様々である.
ISSN:1346-4159