肺Mycobacterium avium complex症に対するシタフロキサシン使用例の検討

「要旨」 : 〔目的〕肺Mycobacterium avium complex (MAC) 症に対するシタフロキサシン (STFX) 使用症例の使用実態を調査し, 効果と安全性について検証した. 〔対象と方法〕2012年9月から2016年4月までの間に, 肺MAC症に対してSTFXを新たに開始した89例を対象とし, STFXを開始した理由, 標準治療薬の代替薬として使用した症例の転帰, 難治例に対するSTFX上乗せ効果, STFXの有害事象について後方視的に検討した. 〔結果〕STFXの使用理由は標準治療薬の代替薬としての使用が54例 (61%) と最も多かった. 代替薬として使用し, フォロ...

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Published in結核 Vol. 93; no. 11/12; pp. 603 - 608
Main Authors 八木光昭, 中川拓, 林悠太, 山田憲隆, 垂水修, 福井保太, 小川賢二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核病学会 15.11.2018
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ISSN0022-9776

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Summary:「要旨」 : 〔目的〕肺Mycobacterium avium complex (MAC) 症に対するシタフロキサシン (STFX) 使用症例の使用実態を調査し, 効果と安全性について検証した. 〔対象と方法〕2012年9月から2016年4月までの間に, 肺MAC症に対してSTFXを新たに開始した89例を対象とし, STFXを開始した理由, 標準治療薬の代替薬として使用した症例の転帰, 難治例に対するSTFX上乗せ効果, STFXの有害事象について後方視的に検討した. 〔結果〕STFXの使用理由は標準治療薬の代替薬としての使用が54例 (61%) と最も多かった. 代替薬として使用し, フォローアップ可能であった46例のうち, 21例でSTFXを終了できていた. 難治例に対しては, 菌陰性化を達成できた症例はなかったが症状改善を4例, 画像改善を3例に認めた. STFXの有害事象は89例中50例 (56%) に見られ, 下痢が最も多かった (22%) . 有害事象により中止した症例は23例だった. 〔結論〕肺MAC症に対するSTFXは代替薬や難治例への上乗せ薬として一定の効果を示したが, 効果に限界があり, 有害事象も多く見られた.
ISSN:0022-9776