肺結核治療中に抗結核薬による中毒性表皮壊死症を発症した全身性エリテマトーデスの1例

「要旨」: 症例は48歳女性. 1年前に全身性エリテマトーデスを発症しステロイド治療中に肺結核を発症し入院となった. ステロイドを倍増しINH, RFP, EB, PZAでの治療を開始したが, 3週間後に多形滲出性紅斑が出現し中止した. 改善後にPZA, SM, LVFXで再開したが, INHを追加した後に再度皮疹が出現し, 急速に中毒性表皮壊死症に進展した. ステロイドパルス療法で改善したため, 結核治療を再開した. その他の有害事象などで治療薬選択に難渋したものの最終的にRFP, EB, THで治療完遂することができた. 本例の原因薬剤はINHが最も考えやすい. 抗結核薬による薬疹はしばし...

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Published in結核 Vol. 89; no. 11; pp. 807 - 812
Main Authors 佐藤祐, 村田研吾, 佐々木茜, 和田曉彦, 加藤雪彦, 高森幹雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核病学会 15.11.2014
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ISSN0022-9776

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Summary:「要旨」: 症例は48歳女性. 1年前に全身性エリテマトーデスを発症しステロイド治療中に肺結核を発症し入院となった. ステロイドを倍増しINH, RFP, EB, PZAでの治療を開始したが, 3週間後に多形滲出性紅斑が出現し中止した. 改善後にPZA, SM, LVFXで再開したが, INHを追加した後に再度皮疹が出現し, 急速に中毒性表皮壊死症に進展した. ステロイドパルス療法で改善したため, 結核治療を再開した. その他の有害事象などで治療薬選択に難渋したものの最終的にRFP, EB, THで治療完遂することができた. 本例の原因薬剤はINHが最も考えやすい. 抗結核薬による薬疹はしばしばみられるが, 最重症型である中毒性表皮壊死症まで至った報告は稀である.
ISSN:0022-9776