JKOMを用いた早期変形性膝関節症に対する高分子ヒアルロン酸と非ステロイド性消炎鎮痛剤の有効性評価

「はじめに」高齢化社会が進む我が国において, 運動器疾患の一つである変形性膝関節症 (以下OA膝) の患者数は1,000万人を超えるといわれている. OA膝の治療法には保存療法と手術療法があり, 早期例では保存療法が選択されることが多い. 保存療法の中には運動療法や装具療法, 薬物療法等があるが, 薬物療法の中でも, その中心をなすのが非ステロイド性消炎鎮痛剤 (以下NSAIDs) の経口投与とヒアルロン酸関節腔内注射であり, NSAIDsの経口投与とヒアルロン酸関節腔内注射は, 確立されたエビデンスをもとにOA膝の薬物療法として推奨されている. しかしながら, これまで早期OA膝患者に対する...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 31; no. 1; pp. 55 - 60
Main Authors 可徳三博, 青柳孝彦, 峯博子, 鶴田敏幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2012
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ISSN1883-2873

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Summary:「はじめに」高齢化社会が進む我が国において, 運動器疾患の一つである変形性膝関節症 (以下OA膝) の患者数は1,000万人を超えるといわれている. OA膝の治療法には保存療法と手術療法があり, 早期例では保存療法が選択されることが多い. 保存療法の中には運動療法や装具療法, 薬物療法等があるが, 薬物療法の中でも, その中心をなすのが非ステロイド性消炎鎮痛剤 (以下NSAIDs) の経口投与とヒアルロン酸関節腔内注射であり, NSAIDsの経口投与とヒアルロン酸関節腔内注射は, 確立されたエビデンスをもとにOA膝の薬物療法として推奨されている. しかしながら, これまで早期OA膝患者に対するNSAIDs経口投与とヒアルロン酸関節腔内注射との治療成績の差異については明らかにされていない. OA膝の治療評価方法には, 従来よりJOAスコアが用いられてきたが, 近年, OA膝患者の痛みの程度やQOLへの影響を反映させた新しい評価法が相次いで報告されている.
ISSN:1883-2873