アキレス腱縫合術後の足関節機能と動作の獲得時期について - ヒールレイズの評価方法の標準化

〔要旨〕本研究では, アキレス腱縫合術後で最も重要な機能であるヒールレイズの評価方法を標準化し, より厳密に足関節の底屈機能を評価することを目的とした. そのうえで縫合術後の足関節機能と動作の獲得時期を調査した. 対象は新鮮アキレス腱断裂に対しHalf-mini-Bunnel法(内山法)を施行した178名とした. 獲得平均時期は, 両脚ヒールレイズは10.3週, 片脚ヒールレイズは13.3週, ジョギングは14.2週, 片脚ヒールレイズ20回以上可能は4.2カ月, スポーツ復帰は5.4カ月であった. またスポーツ復帰に関しては, 片脚ヒールレイズ, ジョギング, 片脚ヒールレイズ20回以上獲得...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 25; no. 2; pp. 215 - 222
Main Authors 今屋健, 内山英司, 深井厚, 眞田高起, 藤島理恵子, 田中龍太, 中山誠一郎, 川村麻衣子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 30.04.2017
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕本研究では, アキレス腱縫合術後で最も重要な機能であるヒールレイズの評価方法を標準化し, より厳密に足関節の底屈機能を評価することを目的とした. そのうえで縫合術後の足関節機能と動作の獲得時期を調査した. 対象は新鮮アキレス腱断裂に対しHalf-mini-Bunnel法(内山法)を施行した178名とした. 獲得平均時期は, 両脚ヒールレイズは10.3週, 片脚ヒールレイズは13.3週, ジョギングは14.2週, 片脚ヒールレイズ20回以上可能は4.2カ月, スポーツ復帰は5.4カ月であった. またスポーツ復帰に関しては, 片脚ヒールレイズ, ジョギング, 片脚ヒールレイズ20回以上獲得などと相関関係があった. 臨床上, アキレス腱縫合術後の機能評価として, ヒールレイズ能力を厳密に評価することが重要であり, その評価は検者間で標準化されたものでなければならない. さらに早期スポーツ復帰には, 片脚ヒールレイズを中心とした足関節底屈機能の早期獲得が重要であることが示唆された.
ISSN:1346-4159