兄妹で先天性小腸閉鎖症を発症した稀な2例
「要旨」先天性小腸閉鎖症の同胞発生例を経験した. 【症例1】男児. 35週6日2,860gで第1子として出生した. 出生後より胆汁性嘔吐を呈し, エコーで小腸軸捻転の所見を認め, 緊急手術を施行した. 所見としてはTreitz靭帯から85cmの部位に離断型小腸閉鎖症と, 同部位を起点とした小腸軸捻転を認めた. 捻転解除し拡張小腸切除および吻合を施行した. 【症例2】女児. 35週1日2,696gで第2子として出生した. 出生後に低血糖を認め, 当院搬送となった. レントゲンで拡張腸管を認め, 小腸閉鎖症の疑いで緊急手術を施行した. 所見としてはTreitz靭帯から100cmの部位に索状型小腸閉...
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Published in | 日本小児外科学会雑誌 Vol. 60; no. 7; pp. 978 - 984 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本小児外科学会
20.12.2024
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ISSN | 0288-609X |
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Summary: | 「要旨」先天性小腸閉鎖症の同胞発生例を経験した. 【症例1】男児. 35週6日2,860gで第1子として出生した. 出生後より胆汁性嘔吐を呈し, エコーで小腸軸捻転の所見を認め, 緊急手術を施行した. 所見としてはTreitz靭帯から85cmの部位に離断型小腸閉鎖症と, 同部位を起点とした小腸軸捻転を認めた. 捻転解除し拡張小腸切除および吻合を施行した. 【症例2】女児. 35週1日2,696gで第2子として出生した. 出生後に低血糖を認め, 当院搬送となった. レントゲンで拡張腸管を認め, 小腸閉鎖症の疑いで緊急手術を施行した. 所見としてはTreitz靭帯から100cmの部位に索状型小腸閉鎖症を認めた. 拡張腸管の切除および吻合を施行した. 先天性小腸閉鎖症は5,000から10,000出生に1人の頻度で発生する新生児外科疾患である. 一般的に家族性はなく同胞発生例は極めて稀であり文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0288-609X |