早期胃癌442例の検討 年齢特異性を中心に

早期胃癌の年齢特異性を明らかにする目的で, 当院で18年間に経験された442例484病変について臨床病理学的に検討した. 早期胃癌442例は全胃癌手術例数の26.4%にあたり, 55.4%がm癌, 44.6%がsm癌であった. 年齢分布は男女とも50歳台にピークを示す山型であった. 肉眼型では, 加齢とともに隆起型が増加し, 特に70歳以上では隆起型が陥凹型を上回った. 組織型では, 30歳未満で30%である分化型が加齢とともに漸増し, 70歳以上では90%を占めた. 40歳台, 60歳台でsm癌の比率が高く, 脈管侵襲率も高かった. 腸上皮化生の程度を, 胃潰瘍群と早期胃癌群で比較すると,...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 18; no. 8; pp. 1810 - 1814
Main Authors 富山, 浩基, 小林, 元壮, 岡信, 孝治, 大西, 信行, 山際, 裕史, 吉村, 平, 合地, 明, 大西, 長久, 猶本, 良夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.08.1985
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.18.1810

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Summary:早期胃癌の年齢特異性を明らかにする目的で, 当院で18年間に経験された442例484病変について臨床病理学的に検討した. 早期胃癌442例は全胃癌手術例数の26.4%にあたり, 55.4%がm癌, 44.6%がsm癌であった. 年齢分布は男女とも50歳台にピークを示す山型であった. 肉眼型では, 加齢とともに隆起型が増加し, 特に70歳以上では隆起型が陥凹型を上回った. 組織型では, 30歳未満で30%である分化型が加齢とともに漸増し, 70歳以上では90%を占めた. 40歳台, 60歳台でsm癌の比率が高く, 脈管侵襲率も高かった. 腸上皮化生の程度を, 胃潰瘍群と早期胃癌群で比較すると, 各年齢とも早期胃癌群が高度であった.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.18.1810