配慮を要する子どもの自然体験 幼児教育に活用する意義の文献的検討

本論は配慮を要する子どもの自然体験の意義を遊びの要素から考察した 。 遊びの要素とは以下の 5 要素で ある 。 ① 内発的動機付け ,② 目的より手段 ,③ 柔軟性 ,④ ポジティブな感情 ,⑤ 虚構性 。 一般の子どもは遊びの 5 要素以外にも動機づけとなる要素があるが , 配慮を要する子どもは 5 要素の比重 が相対的に大きいため , それらの要素をそのまま遊びで実現しようとすると , ルールや決まりや約束ごとな どからトラブルになりやすく , 問題を起こしやすい傾向にある 。 しかし自然体験は 5 つの要素を純粋な形で 実現しやすいため , 配慮を要する子どもにとっても , 自分自身の...

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Published in植草学園大学研究紀要 Vol. 17; pp. 19 - 29
Main Author 栗原, ひとみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 植草学園大学 31.03.2025
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ISSN1883-5988
2433-555X
DOI10.24683/uekusad.17.0_19

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Summary:本論は配慮を要する子どもの自然体験の意義を遊びの要素から考察した 。 遊びの要素とは以下の 5 要素で ある 。 ① 内発的動機付け ,② 目的より手段 ,③ 柔軟性 ,④ ポジティブな感情 ,⑤ 虚構性 。 一般の子どもは遊びの 5 要素以外にも動機づけとなる要素があるが , 配慮を要する子どもは 5 要素の比重 が相対的に大きいため , それらの要素をそのまま遊びで実現しようとすると , ルールや決まりや約束ごとな どからトラブルになりやすく , 問題を起こしやすい傾向にある 。 しかし自然体験は 5 つの要素を純粋な形で 実現しやすいため , 配慮を要する子どもにとっても , 自分自身の遊び甲斐に繋がりやすい 。 無為に , 夢中に 繰り返し遊ぶことができるのではないか 。 アプローチできる遊びの層は多層であり , 多様であり , 容易であ る 。 自分らしさが遊びの中で活かされ , 周りにも認められ , 安心感の中で自己発揮することができると考え られた 。
ISSN:1883-5988
2433-555X
DOI:10.24683/uekusad.17.0_19