高校生は実験の結果から疑問を感じた後に何を明らかにしたいのか 高等学校化学基礎「化学反応の量的関係」の実験を通して

本研究では,高等学校化学基礎において,実験の結果から生徒が何に疑問を感じ,何を明らかにしたいと思うかを調査することを目的とした。そこで,高校1学年111人の生徒を対象に,「化学反応の量的な関係」の内容において,実験の結果を生徒に見せた後に,「疑問に感じたこと」,「疑問から明らかにしたいこと」,「疑問を感じた現象が起きた要因」について自由記述で回答させ,その記述を分析した。その結果,計算値と実測値のずれがある実験結果を見せると,そのずれがなぜ生じたのかについて疑問を感じた生徒が多かった。しかし,ずれの要因として考えられることを明らかにしたいのではなく,教師が意図していない個人的な関心によることを...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in理科教育学研究 Vol. 65; no. 3; pp. 585 - 595
Main Authors 山根, 悠平, 上村, 礼子, 稲田, 結美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本理科教育学会 31.03.2025
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2614
2187-509X
DOI10.11639/sjst.24041

Cover

More Information
Summary:本研究では,高等学校化学基礎において,実験の結果から生徒が何に疑問を感じ,何を明らかにしたいと思うかを調査することを目的とした。そこで,高校1学年111人の生徒を対象に,「化学反応の量的な関係」の内容において,実験の結果を生徒に見せた後に,「疑問に感じたこと」,「疑問から明らかにしたいこと」,「疑問を感じた現象が起きた要因」について自由記述で回答させ,その記述を分析した。その結果,計算値と実測値のずれがある実験結果を見せると,そのずれがなぜ生じたのかについて疑問を感じた生徒が多かった。しかし,ずれの要因として考えられることを明らかにしたいのではなく,教師が意図していない個人的な関心によることを調べてみたい生徒や,疑問に感じた要因について解決しようとしない生徒がいることが明らかになった。
ISSN:1345-2614
2187-509X
DOI:10.11639/sjst.24041