GenoType(R) MTBDRplusによる多剤耐性結核菌同定に関する検討
「要旨」:〔目的〕Line Probe Assayの一種であるGenoType(R) MTBDRplus (Hain Lifescience, Germany) の, RFPおよびINHの耐性検出能を評価した. 〔方法〕臨床分離多剤耐性結核菌 (MDR-TB) 44株と, RFPおよびINHに感受性である結核菌67株を対象とし, GenoType(R) MTBDRplusによるRFPおよびINHの耐性検出能を検討した. また, rpoBはRifampicin Resistance Deter-mining Region (RRDR) 81bp, katGはcodon 315周辺の322bp,...
Saved in:
| Published in | 結核 Vol. 86; no. 7; pp. 697 - 702 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本結核病学会
15.07.2011
|
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0022-9776 |
Cover
| Summary: | 「要旨」:〔目的〕Line Probe Assayの一種であるGenoType(R) MTBDRplus (Hain Lifescience, Germany) の, RFPおよびINHの耐性検出能を評価した. 〔方法〕臨床分離多剤耐性結核菌 (MDR-TB) 44株と, RFPおよびINHに感受性である結核菌67株を対象とし, GenoType(R) MTBDRplusによるRFPおよびINHの耐性検出能を検討した. また, rpoBはRifampicin Resistance Deter-mining Region (RRDR) 81bp, katGはcodon 315周辺の322bp, inhAはinhA promoterを含む248bpおよびinhA ORF 379bpの遺伝子領域をダイレクトシークエンスし, 変異を解析した. 1%小川培地による比率法感受性検査を評価基準とした. 〔結果〕GenoType(R) MTBDRplusによるRFPおよびINHの耐性検出感度は, それぞれ97.7%および65.9%であった. 同様に, 特異度はそれぞれ100%, 一致率は99.1%と86.5%であった. RFPについては, GenoType(R) MTBDRplusでrpoBの変異を検出した43株のうち42株 (97.7%) でシークエンスの結果と一致した. INHでは, GenoType(R) MTBDRplusにてkatG MUT1 (S315T1) 変異24株 (54.5%), とinhA MUT1 (C15T) 変異5株 (11.4%) が検出されたが, シークエンスではGenoType(R) MTBDRplusで検出した24株以外のkatG変異株2株 (4.5%) を検出した. GenoType(R) MTBDRplusの遺伝子変異検出の感度は, RFPではシークエンスと同等であり, INHではシークエンスよりやや劣るものの有意差はなかった. 〔考察〕GenoType(R) MTBDRplusは本邦ではINH耐性の感度が劣るものの, RFPでは通常の薬剤感受性検査と同等の精度が確認された. 検査時間が約6時間と短いため, 多剤耐性結核の早期診断と感染管理に有用であると考えられた. |
|---|---|
| ISSN: | 0022-9776 |