門脈ガス血症をきたしたS状結腸憩室穿通による腸間膜内膿瘍破裂の1例
症例は55歳男性. 2002年4月10日より左下腹部痛, 発熱を認め近医を受診した. 抗生剤投与を受けるも症状の改善を認めず, 4月17日当科受診となった. 受診時, 左下腹部に腹膜刺激症状を認めたOCTでS状結腸間膜の肥厚, 腸間膜内のガス像を認め, S状結腸憩室穿通が疑われた. 症状, 炎症所見が改善していることより, 絶飲食, 抗生剤投与にて経過観察し, 一旦, 腹部症状, 炎症所見は改善した. しかし4月30日 (入院後15日目) 発熱, 腹痛があり, CTで門脈ガス血症およびS状結腸間膜内のガスの増大を認めたため, 同日緊急手術を施行した. S状結腸間膜内に膿瘍が形成されており, 膿...
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          | Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 23; no. 6; pp. 931 - 934 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本腹部救急医学会
    
        30.09.2003
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1340-2242 1882-4781  | 
| DOI | 10.11231/jaem1993.23.931 | 
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| Summary: | 症例は55歳男性. 2002年4月10日より左下腹部痛, 発熱を認め近医を受診した. 抗生剤投与を受けるも症状の改善を認めず, 4月17日当科受診となった. 受診時, 左下腹部に腹膜刺激症状を認めたOCTでS状結腸間膜の肥厚, 腸間膜内のガス像を認め, S状結腸憩室穿通が疑われた. 症状, 炎症所見が改善していることより, 絶飲食, 抗生剤投与にて経過観察し, 一旦, 腹部症状, 炎症所見は改善した. しかし4月30日 (入院後15日目) 発熱, 腹痛があり, CTで門脈ガス血症およびS状結腸間膜内のガスの増大を認めたため, 同日緊急手術を施行した. S状結腸間膜内に膿瘍が形成されており, 膿瘍が腹腔内に穿孔していたため, Hartmann手術を施行した. 摘出標本にて憩室が確認され, 憩室と膿瘍に交通が認められた. S状結腸憩室穿孔の経過観察中, 門脈ガス血症を呈した1例を経験し手術により救命し得たので, 文献的考察を加えて報告する. | 
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| ISSN: | 1340-2242 1882-4781  | 
| DOI: | 10.11231/jaem1993.23.931 |