食道扁平上皮癌におけるHSC73, RB, Ki-67の発現に関する免疫組織学的検討

腫瘍局所における熱しょっく蛋白発現の意義を細胞周期の側面から探索する目的で, 食道扁平上皮癌71例を対象としてHSC73, RB, Ki-67の蛋白発現を免疫組織染色により検索し, 予後を含めた臨床病理学的因子と比較検討を行った. HSC73は66.2%, RBは73.2%, Ki-67陽性率の平均は53.3%であった. HSC73陽性率は高分化型癌, りんぱ節転移陰性群, low stageの群に高かった. また, HSC73陽性群は陰性群に比べてKi-67発現率が低く, 陰性群に比べて術後累積生存率が良好であった. RBの発現は臨床病理学的因子, 術後累積生存率と関連がなかったが, RBと...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 32; no. 4; pp. 959 - 963
Main Authors 天野, 定雄, 福澤, 正洋, 秦, 怜志, 桜井, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.04.1999
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.32.959

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Summary:腫瘍局所における熱しょっく蛋白発現の意義を細胞周期の側面から探索する目的で, 食道扁平上皮癌71例を対象としてHSC73, RB, Ki-67の蛋白発現を免疫組織染色により検索し, 予後を含めた臨床病理学的因子と比較検討を行った. HSC73は66.2%, RBは73.2%, Ki-67陽性率の平均は53.3%であった. HSC73陽性率は高分化型癌, りんぱ節転移陰性群, low stageの群に高かった. また, HSC73陽性群は陰性群に比べてKi-67発現率が低く, 陰性群に比べて術後累積生存率が良好であった. RBの発現は臨床病理学的因子, 術後累積生存率と関連がなかったが, RBとHSC73の同時陽性群がその他の群と比べてKi-67発現率が低かった. 食道扁平上皮癌におけるHSC73の発現は分化度, りんぱ節転移, stage, 術後累積生存率と相関し, 細胞周期制御蛋白を安定化させるものと思われた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.32.959