経皮経肝門脈造影と胃食道静脈瘤治療への応用

胃食道静脈瘤患者で, 経皮経肝門脈造影を施行した64症例につき, 食道静脈瘤の血流パターンをすだれ型と棍棒型, 胃静脈瘤を噴門部型と穹窪部型にそれぞれ分類し, 胃食道静脈瘤治療への応用について検討し以下の結果を得た.1.下部食道静脈瘤の棍棒型は, すだれ型に比べ肝機能不良例と吐血既往例が有意に多かった (p<0.05).2.硬化療法後の小血管出現は棍棒型に多く (p<0.05), 巨大棍棒型は治療抵抗性で手術の適応と考えられた.3.腫瘤状胃静脈瘤は硬化療法単独では治癒し難く, percutaneoustranshepatic obliteration併用ないしは手術の適応と考えられ...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 23; no. 4; pp. 985 - 989
Main Authors 田上, 和夫, 和田, 寛也, 北野, 正剛, 橋爪, 誠, 杉町, 圭蔵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.04.1990
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.23.985

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Summary:胃食道静脈瘤患者で, 経皮経肝門脈造影を施行した64症例につき, 食道静脈瘤の血流パターンをすだれ型と棍棒型, 胃静脈瘤を噴門部型と穹窪部型にそれぞれ分類し, 胃食道静脈瘤治療への応用について検討し以下の結果を得た.1.下部食道静脈瘤の棍棒型は, すだれ型に比べ肝機能不良例と吐血既往例が有意に多かった (p<0.05).2.硬化療法後の小血管出現は棍棒型に多く (p<0.05), 巨大棍棒型は治療抵抗性で手術の適応と考えられた.3.腫瘤状胃静脈瘤は硬化療法単独では治癒し難く, percutaneoustranshepatic obliteration併用ないしは手術の適応と考えられた.以上より胃食道静脈瘤の治療においては血流パターンに応じた治療の選択が重要と考えられた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.23.985