乳癌, 胃癌を併発した膵のsolid and cystic tumorの1例
膵のsolid and cystic tumor (以下SCT) の1例を報告する. 症例は39歳女性. 乳癌の診断にて定型的乳房切断術を施行, 病理組織診断は浸潤性小葉癌, stageII (t2, n1β, M0) であった. 経過観察中の術後9か月造目に行った腹部超音波検査で膵腫瘍, 卵巣腫瘍を認め, 膵体尾部切除術, 両側卵巣摘除術を行った. 乳癌からの転移も疑ったが, 術後の組織検査で, SCT, 胃印環細胞癌の卵巣転移と診断された. 術後2か月目に胃全摘術を施行し, stageIV (P2, H0, n (-), ssγ) であった. 術後2年3か月の現在も再発徴候はなく, 患者は...
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| Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 25; no. 1; pp. 151 - 155 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
1992
一般社団法人日本消化器外科学会 The Japanese Society of Gastroenterological Surgery |
| Subjects | |
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| ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI | 10.5833/jjgs.25.151 |
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| Summary: | 膵のsolid and cystic tumor (以下SCT) の1例を報告する. 症例は39歳女性. 乳癌の診断にて定型的乳房切断術を施行, 病理組織診断は浸潤性小葉癌, stageII (t2, n1β, M0) であった. 経過観察中の術後9か月造目に行った腹部超音波検査で膵腫瘍, 卵巣腫瘍を認め, 膵体尾部切除術, 両側卵巣摘除術を行った. 乳癌からの転移も疑ったが, 術後の組織検査で, SCT, 胃印環細胞癌の卵巣転移と診断された. 術後2か月目に胃全摘術を施行し, stageIV (P2, H0, n (-), ssγ) であった. 術後2年3か月の現在も再発徴候はなく, 患者は健在である. SCTは本邦報告例70例とまれな疾患である. しかも, 他臓器癌を併発した例は他に1例の報告を認めるのみであり, 本SCT症例はきわめてまれな症例と考えられた. |
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| ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
| DOI: | 10.5833/jjgs.25.151 |