大腿骨頭壊死症に対する転子間彎曲内反骨切り術およびその変法の治療成績

「はじめに」大腿骨頭壊死症は好発年齢が青壮年期であることから, その治療に対しては関節温存が望まれる. 我々は, 大腿骨頭壊死症の臼蓋荷重部に対する骨頭外側に健常域が残存している症例に対して, 西尾により考案された転子間彎曲内反骨切り術(以下, 彎曲内反骨切り術)を行っている. 当科における本術式の適応は, 術後脚長差, calcar部のremodelingを考慮して術前外転位撮影を施行し, 25度の内反にて40%以上の臼蓋荷重部健常域が得られるものとしている. 我々は2004年より, 本術式を施行するに当たり術前に前方もしくは後方に健常域が残存する症例に対し臼蓋荷重部により広い健常域を獲得す...

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Published in日本関節病学会誌 Vol. 28; no. 4; pp. 533 - 537
Main Authors 玉置聡, 渥美敬, 山野賢一, 柁原俊久, 中西亮介, 朝倉靖博, 加藤英治, 渡辺実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本関節病学会 2009
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ISSN1883-2873

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Summary:「はじめに」大腿骨頭壊死症は好発年齢が青壮年期であることから, その治療に対しては関節温存が望まれる. 我々は, 大腿骨頭壊死症の臼蓋荷重部に対する骨頭外側に健常域が残存している症例に対して, 西尾により考案された転子間彎曲内反骨切り術(以下, 彎曲内反骨切り術)を行っている. 当科における本術式の適応は, 術後脚長差, calcar部のremodelingを考慮して術前外転位撮影を施行し, 25度の内反にて40%以上の臼蓋荷重部健常域が得られるものとしている. 我々は2004年より, 本術式を施行するに当たり術前に前方もしくは後方に健常域が残存する症例に対し臼蓋荷重部により広い健常域を獲得することを目的に, 彎曲内反骨切り術を行う際に関節包は切開せずに意図的に前方あるいは後方回転を行い, より多くの健常域を獲得するように工夫している. 今回我々は, 彎曲内反骨切り術に前方および後方回転を加えた症例の臼蓋荷重部における健常域占拠率と, 作図上彎曲内反のみを行った場合の健常域占拠率との差異をX線学的に比較検討した. また, 彎曲内反骨切り術のみと, 前方および後方回転を加えた症例を臨床学的に比較検討した.
ISSN:1883-2873