呼吸器感染症に対するT-3262 (tosufloxacin tosilate) とofloxacinとの薬効比較試験成績
新ピリドンカルボン酸系抗菌剤T-3262 (tosu floxacin tosilate) の呼吸器感染症に対する有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的で, ofloxacin (以下OFLXと略す) を対照薬として, 二重盲検法により比較検討を行なった。対象疾患は細菌性肺炎および慢性気道感染症とした。 投与量はT-3262 1日450mg (1回150mg, 1日3回), OFLX 1日600mg (1回200mg, 1日3回), 原則として14日間経口投与し, 以下の結果を得た。 1) 小委員会判定による臨床効果は全例を対象とした場合, T-3262群82.9%, OFLX群8...
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Published in | CHEMOTHERAPY Vol. 37; no. 8; pp. 1086 - 1118 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
25.08.1989
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ISSN | 0009-3165 1884-5894 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1953.37.1086 |
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Summary: | 新ピリドンカルボン酸系抗菌剤T-3262 (tosu floxacin tosilate) の呼吸器感染症に対する有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的で, ofloxacin (以下OFLXと略す) を対照薬として, 二重盲検法により比較検討を行なった。対象疾患は細菌性肺炎および慢性気道感染症とした。 投与量はT-3262 1日450mg (1回150mg, 1日3回), OFLX 1日600mg (1回200mg, 1日3回), 原則として14日間経口投与し, 以下の結果を得た。 1) 小委員会判定による臨床効果は全例を対象とした場合, T-3262群82.9%, OFLX群82.5%の有効率であり, 両薬剤群間に有意差はみられなかった。細菌性肺炎, 慢性気道感染症に層別した検討でも有意差はみられなかった。 2) 主治医判定による臨床効果は小委員会判定と同様な結果であった。 3) 細菌学的効果は158株で検討され, T-3262群の除菌率は78.6%, OFLX群で85.1%であり, 両薬剤群間に有意差はみられなかった。 4) 症状・所見および臨床検査値の改善率は, 投与14日後の体温において, T-3262群は有意に優れた成績であった。 5) 副作用の発現率はT-3262群7.8%, OFLX群6.7%であり, 両薬剤群間に有意差はみられなかった。臨床検査値異常は両薬剤ともトランスアミナーゼの上昇, 好酸球増多が主なものであり, いずれも軽度, 一過性のもので有意差はみられなかった。 6) 小委員会判定による有用性は全体でT-3262群79.6%, OFLX群79.8%の有用率であり, 両薬剤群間に有意差はみられなかった。細菌性肺炎, 慢性気道感染症に層別した検討でも有意差はみられなかった。 7) 主治医判定による有用性は小委員会判定と同様な結果であった。 以上の結果より, 呼吸器感染症に対してT-3262450mg/日投与はOFLX600mg/日投与と同様臨床的有用性が高い薬剤であることが確認された。 |
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ISSN: | 0009-3165 1884-5894 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1953.37.1086 |