アルコールのエネルギー代謝に関する研究 第2報 アルコールの利用率について

健康な男子4名を被験者として, 1日の生活行動を規定した所要熱量の約30%に当る熱量をアルコールで日本酒にして約1l (アルコールとして121g, 858Calを含む) を毎日10日間にわたつて与え, 体重推移の上から熱量出納に基いてアルコールのエネルギー利用価を検討した。その結果を要約すると, 次の如くである。 1. 一定の所要熱量下で糖質に替えアルコールを与えた1週間後には体重は平均約1.0kgの減少を来たし, その減少は投与アルコール量の約1/3に当る熱量を糖質で補うことによつて元の体重に復した。この結果を熱量出納に基いて計算するとアルコールのエネルギー利用価は約65%となつた。 2....

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Published in栄養学雑誌 Vol. 17; no. 6; pp. 227 - 232
Main Authors 長嶺, 晋吉, 鈴木, 一正, 久我, 達郎, 鈴木, 慎次郎, 山川, 喜久江
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 1959
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.17.227

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Summary:健康な男子4名を被験者として, 1日の生活行動を規定した所要熱量の約30%に当る熱量をアルコールで日本酒にして約1l (アルコールとして121g, 858Calを含む) を毎日10日間にわたつて与え, 体重推移の上から熱量出納に基いてアルコールのエネルギー利用価を検討した。その結果を要約すると, 次の如くである。 1. 一定の所要熱量下で糖質に替えアルコールを与えた1週間後には体重は平均約1.0kgの減少を来たし, その減少は投与アルコール量の約1/3に当る熱量を糖質で補うことによつて元の体重に復した。この結果を熱量出納に基いて計算するとアルコールのエネルギー利用価は約65%となつた。 2. アルコールの1日尿中排泄量は投与アルコール量の1.1%であつた。 3. 1日尿量は対照期の平均1740ccに対しアルコール投与期には2320ccに増量した。 4. アルコール投与期間基礎代謝は平均約8%の上昇を示した。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.17.227