日本人の必須アミノ酸摂取量 (第2報) 農村における必須アミノ酸摂取量調査

農村において連続3日間栄養・食糧調査を実施し, その必須アミノ酸の摂取量を算出した。結果を要約すると次のとおりである。 1) 成人換算1人1日当りの蛋白質摂取量は71.6gで改定標準所要量に達している。必須アミノ酸の摂取量を日本人の食糧構成より求めたアミノ酸量に比較すると, 大略これに近い数値を示している。 2) 動物性蛋白の比率の全平均は19.4%でかなり低い。従つて動物性食品よりの必須アミノ酸の摂取割合は少く, リジン (34.5%) メチオニン (29.5%) 以外のアミノ酸はすべて20%前後である。また動物性蛋白の比率が20.0%以下の場合は必須アミノ酸摂取量の変動は明らかでないが20...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 19; no. 4; pp. 182 - 186
Main Authors 菅野, 玲子, 盛田, 喜七, 村井, 一男
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 1961
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.19.182

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Summary:農村において連続3日間栄養・食糧調査を実施し, その必須アミノ酸の摂取量を算出した。結果を要約すると次のとおりである。 1) 成人換算1人1日当りの蛋白質摂取量は71.6gで改定標準所要量に達している。必須アミノ酸の摂取量を日本人の食糧構成より求めたアミノ酸量に比較すると, 大略これに近い数値を示している。 2) 動物性蛋白の比率の全平均は19.4%でかなり低い。従つて動物性食品よりの必須アミノ酸の摂取割合は少く, リジン (34.5%) メチオニン (29.5%) 以外のアミノ酸はすべて20%前後である。また動物性蛋白の比率が20.0%以下の場合は必須アミノ酸摂取量の変動は明らかでないが20%以上になると, フエニールアラニン, トリプトフアン以外のアミノ酸は僅かながら増加の傾向を示している。 3) FAOの基準配合量に対する比率を見ると, メチオニン (81%) 含硫アミノ酸 (73%) トリプトフアン (74%) 等は常に低く制限アミノ酸になつている。またその比率は日本人に望ましい食糧構成の場合よりやや低下している。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.19.182