頭蓋底手術の最前線 内視鏡下経鼻頭蓋底手術(側頭下窩)

内視鏡下鼻副鼻腔手術の発展に伴い,炎症性疾患の制御から,鼻副鼻腔腫瘍手術へとその応用範囲は拡大し,頭蓋底へのアプローチ法としても普及しつつある。本稿では,内視鏡下経鼻頭蓋底手術の中で耳鼻咽喉科医の役割が特に大きい経上顎洞アプローチについての現況と手術解剖のポイントについて述べる。本アプローチは,上顎洞後壁から翼口蓋窩を経て,側頭下窩に至る手術アプローチであり,三叉神経鞘腫,血管線維腫,脊索腫,鼻副鼻腔悪性腫瘍など幅広い病変の手術に応用可能である。内視鏡下経上顎洞アプローチでの解剖学的な限界は,内頸動脈の位置とするのが一般的であり,内頸動脈の位置を推定するためのメルクマールを適切に把握することが...

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Published in頭頸部外科 Vol. 28; no. 1; pp. 27 - 30
Main Author 中川, 隆之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2018
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.28.27

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Summary:内視鏡下鼻副鼻腔手術の発展に伴い,炎症性疾患の制御から,鼻副鼻腔腫瘍手術へとその応用範囲は拡大し,頭蓋底へのアプローチ法としても普及しつつある。本稿では,内視鏡下経鼻頭蓋底手術の中で耳鼻咽喉科医の役割が特に大きい経上顎洞アプローチについての現況と手術解剖のポイントについて述べる。本アプローチは,上顎洞後壁から翼口蓋窩を経て,側頭下窩に至る手術アプローチであり,三叉神経鞘腫,血管線維腫,脊索腫,鼻副鼻腔悪性腫瘍など幅広い病変の手術に応用可能である。内視鏡下経上顎洞アプローチでの解剖学的な限界は,内頸動脈の位置とするのが一般的であり,内頸動脈の位置を推定するためのメルクマールを適切に把握することが重要となる。今後,鼻副鼻腔悪性腫瘍に対する応用の標準化を見据えた臨床研究の展開が望まれる。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.28.27