片麻痺型脳性麻痺の末梢神経機能

中枢神経障害に伴う末梢神経の二次的異常を, 脛骨神経のM波とF波で調べた. 対象は, 脳性麻痺(CP)による片麻痺者, 脳卒中および頭部外傷による片麻痺者(後天性群), CP群と年齢が対応する正常者の各15名である. M波では下腿のMCVと振幅比(膝窩/足関節刺激)を, 足関節刺激のF波では潜時, 潜時差, 波形時間および振幅を評価した. 麻痺側と非麻痺側の比較では, CP群も後天性群も, MCVと, F波の波形時間および振幅に統計学的有意差を認め, 非麻痺側と正常群の比較では, MCVと, F波の潜時および波形時間に統計学的有意差を認めた. CP群のF波振幅およびM波振幅比は, 後天性群より...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 9; pp. 598 - 604
Main Author 宮地健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 2000
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ISSN0034-351X

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Summary:中枢神経障害に伴う末梢神経の二次的異常を, 脛骨神経のM波とF波で調べた. 対象は, 脳性麻痺(CP)による片麻痺者, 脳卒中および頭部外傷による片麻痺者(後天性群), CP群と年齢が対応する正常者の各15名である. M波では下腿のMCVと振幅比(膝窩/足関節刺激)を, 足関節刺激のF波では潜時, 潜時差, 波形時間および振幅を評価した. 麻痺側と非麻痺側の比較では, CP群も後天性群も, MCVと, F波の波形時間および振幅に統計学的有意差を認め, 非麻痺側と正常群の比較では, MCVと, F波の潜時および波形時間に統計学的有意差を認めた. CP群のF波振幅およびM波振幅比は, 後天性群より明らかに異常が少なかった. 近年, 脳血管障害患者の麻痺肢における電気生理学的な異常が報告され, 中枢神経障害に伴う二次的な末梢神経障害の存在が示唆されている.
ISSN:0034-351X